「違うって悪いこと?」
「普通ってなに?」
「みんなと同じじゃないと、いけないの?」
「みんなと一緒じゃないと、変なの?」
そんな風に子どもに聞かれたら、なんと答えますか?
・自分と違う。
・自分の家族と違う。
・みんなと違う。
…
これからは益々グローバル化していき、多様性が溢れる時代になります。
子どもが「違い」に気づく、多様性に出会う機会もどんどん増えていきます。
そんな中、
「子どもに多様性をどう伝えていけばいいか、悩む」
「私自身がうまく説明できない、教えられない」
という声をよく聞きます。
実は”多様性とはコレ!”という正解の回答はありません。
大人でも、答えるのは難しかったりしますよね。
では、子どもが「違い/多様性」に出会った時、我々大人はどうすればよいのか。
そんな時は、3つのStepをたどって、多様性を子どもと共に考えてみてください。
目次
子どもに尋ねられた時。
我々大人は咄嗟に、「子どもに教えてあげなきゃ!」と思いますよね。
でも実は、
『教えようとしなくて良い』
のです。
むしろ教えようとするよりも、一緒に考えていく姿勢をもつことの方が大事。(コレ!という正解がないものは特に。)
教えるということは実は、自分の考えを子どもに押し付けることにも繋がってしまうものだからです。
もしかしたら、
・大人なんだから、子どもに教えられないのは恥ずかしい。
・大人なんだから、子どもにしっかり教えてあげなきゃ!
と思っているかもしれません。
けれど、世界には大人になっても分からないこと、正解がないことの方がたくさんありますよね。
分からない・教えられない=恥ではないのです。
社会に出た時に、”知ったかぶりをする上司・先輩よりも、一緒に考えてくれる上司・先輩の方がかっこいい”と思った経験が、きっと一度はあるはず。
それと同じで、何も子どもに対して、自分が無理して”知ったかぶりの大人”になる必要はないのです。
むしろ、大人になっても親になっても学び続ける姿勢を持てる人の方がかっこいい。
世界で活躍できる人・成長していく人とは、分からないことに出会った時に知ったかぶりをするのではなく、分からないことを素直に認め、学び続けていく人でもあります。
そんな姿勢を親がしっかりと体現することで、子どもも同じように学び続ける姿勢をもつことができるようになります。
だからこそ、”親なんだから教えてあげなくちゃ!”ではなく、”どう思う?パパ・ママも分からないから一緒に考えていこうか”という姿勢の方が大事なのです。
『親・大人は”教える側である”という意識を捨てて、”一緒に学び続けていく”意識を持つ。』
それこそが、これからの世界で活躍できる子を育てる家族の姿なのです。
教えてあげなくちゃ!という意識をなくしたら次は、”考える材料”はどうするか、ということを検討します。
子どもが違い/多様性に気づくきっかけとなった出来事を掘り下げるのでも良いですが、6歳までに多様性を考える材料としては、
『絵本を通して考える』
のがおすすめ。
今は多様性をテーマにした絵本や本がたくさん出ています。
中でもおすすめな絵本をいくつか紹介します。
実際に動物園であったお話。
”自分らしく”じゃダメなの?
もし男の子の友だちが女の子になったら?
パパがふたりの家族はへんなこと?
もし、ママがふたりの家族に生まれたら?
※こちらは絵本ではなく、エッセイのような形になっていますので、大人が読む、子どもが小学校高学年、中学生頃に読ませるようにすると良いと思います。
もちろん他にも多様性をテーマにした絵本がありますので、図書館などで色々な絵本に触れてみてください。
大事なのはStep1、この後のStep3にも関連しますが、親・大人の意見を押し付けないこと。
読み聞かせをしたら、
「あなたはどう思う?」
と子どもの感じたこと、考えをしっかり引き出していくことが大切です。
絵本は子どもにとっても大人にとっても、「最高の学び教材」。
ぜひたくさん活用してみてくださいね。
※もちろん、絵本以外でも良いものがあればどんどん活用してみてくださいね。
さて、
①”親・大人=教える側である”意識をなくし、
②絵本という学び教材を通して共に考えていく環境
が整ったら、いよいよ最後のStep3、
『子どもの考えを尊重する』
です。
実はここが一番の重要ポイントといっても過言ではありません。
なぜなら、子どもの考えを尊重できなければ、結局は親の考えを押し付けて終わってしまうからです。
子どもの考えを尊重するとは、「あなたはどう思う?」と子どもに尋ねて終わり、ではありません。
重要なのはその後。
あなたはどう思う?と子どもに尋ね、自分が思っていなかった返答・自分とは違う考えが返ってきた時。
・え~、そんなこと思うの?
・そんな風に考えるなんてちょっと・・・
・こういう考えの方が良いよ!
なんて”子どもの考えを否定して、自分の考えに賛同するように誘導”してしまっていませんか?
そんなことあるわけないじゃない!
と思うかもしれませんが、割と多くの方が”無意識に”やってしまっているのです。
人間は、自分の考えに反対されるより賛同してもらいたいもの。
そしてそれは自分に近ければ近い存在にほど、強く思うものなのです。
つまり、
”自分の子どもが自分と違う考えを持っている”
と、暗に否定したくなってしまうのです。
そして、子どもが小さければ小さいほど、比較的容易に親の考えに賛同するように誘導できてしまいます。
だからこそ、しっかりと親・大人側が
「自分の考えとは違っても、尊重する!」
と強く意識していくべきなのです。
では、どんな風に子どもと自分の考えを深めていくべきなのか。
一例をあげると、
親:「(絵本を読み聞かせた後)あなたはどう思う?」
子:「〇〇って思った!」
親:「そうなんだ、そういう考えもあるね。ママ/パパは△△って思ったんだけど、どう思う?もし、お友達が絵本と同じだったらどう思う?」
・・・
など、あくまで”1人の大人対大人”として意見を交わし、考えを尊重し合ってみてください。
正解も不正解もなければ、どちらが善でどちらが悪ということもありません。
それぞれが感じるままに意見を交わして良いのです。
子どもと大人では、生きている年数も経験していることも違うので、まったく違う感じ方、考え方をするかと思いますが、それが新鮮で面白いのです。
「我が子はこんな風に考えているんだ」
ということも分かり、思いがけず我が子の成長を感じる一場面にもなります。
また、”意見を交わす”という経験が、これからの世界で活躍できる子を育てることにも繋がります。
日本人は協調性が強く、公の場で意見を交わすのが苦手、議論の場でも発言するのが苦手、と世界から評価されてしまっている面があります。
けれど、世界で活躍するためには協調性は大事にしつつも、しっかりと自分の意見を発言できる力を持つことも大切です。
ぜひ幼少期から意見を交わす経験を、安心できる家庭内で積んでみてくださいね。
子どもと共に考えたい、多様性への3つのStep、いかがでしたか?
子どもが違い/多様性に出会ったら、
①親・大人=教える側である意識を捨てる
②絵本を考える材料に使う
③子どもの考えを尊重する
という3つのStepで、ぜひ一緒に多様性に対する考えを深めたり、柔軟性を養ったりしてみてくださいね。
もちろん、大人が多様性を考えるにもこの3つのStepは有効ですよ!
これからは益々多様性に溢れる時代です。
Step2で紹介した、『ふたりのママからきみたちへ』にはこんな一文があります。
「違いを受け入れると、人生は豊かになる」。
子どもたちが生きる社会が、金子みすゞの『みんなちがって、みんないい』が当たり前になるように。
我々大人も、しっかりと「多様性」を考えて、向き合っていきたいですね。
子ども&貴方の可能性は無限大!
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