カリフォルニアで約10年、担任として23か国の子どもたちが集まる現地保育園に勤めていたNさんとのインタビュー、『海外の幼児教育を知る』。
vol.2の今回は、子どもたちの1日の流れやどんな遊びを行っているのかをお聞きします。
※vol.1はこちらから→ 「海外の幼児教育を知る vol.1~カリフォルニアの現場から~」
目次
せ:子どもたちは、どのように1日を過ごしているのでしょうか?
Nさん:簡単に流れを説明しますと・・・
6:45~ 異年齢保育。全年齢の子どもたちが一緒に遊んで過ごす。
8:00~ それぞれ各部屋へ。
8:15~9:00 自由遊び
9:00~ おやつ、トイレ
9:30~ Circle time (朝の会のようなもの。)歌やダンス、絵本の読み聞かせなどを行う。
10:00~11:00 外遊び
11:00~ Tableアクティビティ
そのあと、昼食、昼寝、自由遊びというような流れです。
せ:なるほど。このTableアクティビティとはなんですか?
Nさん:ねんどやパズルなど、テーブルに座って、手先を使うような遊びのことです。
年齢によってこの遊びは変化させていきます。
特に年齢の低い子(2歳児など)は、”興味がなくなったな”と感じたら、すぐに次の遊びへ促します。
どのように1日の流れをスケジュールするかがとても大切なんです。
せ:スケジューリングが大切なのはなぜですか?
Nさん:年齢の小さい子ほど、つまらないとすぐにケンカをするからです。
”いかに子どもの興味を引くか・飽きさせないようにするか?”がとても重要です。先生のテクニックと工夫が必要なのですね。
飽きさせないように絵本も毎週変えていましたし、手作りおもちゃの制作などもしていました。
せ:分かります!私もいろいろやりました。(笑)
せ:他に、これってなかなかないよな~などという特徴的な遊びなどはありますか?
Nさん:”ブロックアクティビティ”は特徴的かなと思います。
せ:ブロックアクティビティ?
Nさん:はい。クラスの真ん中に何百個というブロックを用意しておくのです。
そこは特別な場所で、他の遊びとは違い、子どもたちが自由に遊べるのではなく、保育士の方でコントロールしていました。
ブロックアクティビティの良いところは、子どもたちの想像力や創造力などを養うことが出来ることです。
何百個というブロック(レゴなど)を使って、イメージしたものを具現化する。それを見てまたイメージを膨らませて創造し、巨大な街やターミナルが出来る様子は圧巻です。
また、1人では難しい部分も、友だちと協力するとよりすごいものが出来上がるので、協力する・助けあうことなども自然に学ぶことが出来ます。
せ:それはすごいですね!日本ではなかなか見られない光景だと思います。ぜひやってみたいです!
せ:外遊びはどうでしょうか?すべての園には園庭がついているのでしょうか?
Nさん:ほとんどの園には自分の庭がついています。ニューヨークなどの大都市では、都内のように”マンションの中にある”という園もあるかもしれませんが、庭のない園はほとんどないと思います。
また、日本では子どもたちが歩いて公園に行ったりしますよね?それはこちらではやりませんね。
せ:そうなのですか。それはなぜですか?
Nさん:”怖い”と感じるからです。
アメリカは車社会です。”歩いて公園まで行く”なんてとてもとても・・・行ってもNature walkという、近所へのお散歩くらいです。
怖くて子どもを連れて外に出ることは、あまりありませんね。
せ:そうなのですね!”防犯”という意味もあるのでしょうか?
Nさん:もちろんそれもありますが、先に述べたように、ほとんどの園には庭がついていますので、外へ出る怖さもありますが、”歩いて公園へ行く”という発想がないのでしょうね。
せ:なるほど~。向こうでは園と保護者との関わりや、行事などはどのようなものがあるのですか?
カリフォルニアではどのような行事を行っているのでしょうか?
また、保護者の意識にも日本との違いはあるのでしょうか?
気になる続きはvol.3で!