「子どもの教育のために、海外へ移住したい」
そのような選択肢が出てきた時、まず何から始めますか?
多くの方が、
・海外教育移住先の選定
・海外教育移住するために必要な資格、手続き
・海外教育移住するために必要な費用
などの情報を集めるところから始めると思います。
もちろん情報収集はとても大切です。
けれどどんなに情報収集をして納得したつもりで海外移住をしても、
「海外教育移住は失敗だった、悔いが残った」
という結果になることもあります。
海外教育移住をして良かった!
海外教育移住をしなければ良かった・・・
その違いはなんなのか。
それは、
「・どんな子育てをしたいのか
・子どもが社会にでる年齢になる頃に、どんな人に育ってほしいのか
などという『子育てのゴール=子育て軸』を予めきちんと定めていたかどうか」
なのです。
そう。
「海外教育移住を失敗しないために必要なたった1つのこと」
とは、”子育てのゴール=子育て軸をしっかり持つこと”なのです。
※海外教育移住だけではなく、親子留学でも同様のことが言えますので、親子留学を検討する際にもぜひ考えてみてください。
ではなぜ、子育てのゴール=子育て軸を定めることがまず大事なのか。
それには大きく分けて2つの理由があるのです。
目次
前述したように、もちろん様々な情報収集をすることは大切です。
が、大前提として「どんな人に育ってほしいか?」というものがないと、実は情報収集するのにも一苦労なのです。
海外教育移住と一言で言っても、選択肢は実に多様。
マレーシア、シンガポール、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ、アメリカ、ドイツ・・・
移住先1つを決めるにしても、
・子どもにどんな人に育ってほしいのか
・どんな環境が適しているか
が分からないと、膨大な情報を集めることになってしまいます。
その点、
「我が子にはこんな人に育ってもらいたい!」
という軸が決まっていれば、
「そのためにはこの国の、こんな教育スタイルの学校が良い!」
というのをすぐに決めることができます。
決まればあとは、希望の移住先、幼稚園・学校に向けての情報収集&下見をするだけ。
※現地での下見は必ず行ってください。事前に得ていた情報と違う場合があります。下見を行わない移住は失敗や後悔のもとになります。
子育てのゴール=子育て軸が定まっておらず、”子どもの教育のためには海外移住が良いらしい!”とやみくもに情報収集&下見を始める方よりも、大分時間もお金も節約できます。
何より教育移住は明日、明後日ポンッとできるものではありません。
海外移住はしたいけれど、どこの国が良いのか、どんな幼稚園・学校が良いのか決まらない・・・
と迷っているうちにどんどん移住が遅れてしまう、なんてことも起こります。
貴方が思う(希望する)ベストなタイミングで海外教育移住を実現させるためにも、まずはしっかりと子育てのゴール=子育て軸を定めることが大切なのです。
”子どものために”と行う海外教育移住。
もちろん失敗や後悔はしたくないですよね。
けれど海外教育移住をした方の中には、「失敗した、後悔した」という方がいるのです。
情報収集はやっていたはずなのに、どうしてなのでしょうか。
その理由の大きな要因の1つが、
『子育てのゴール=子育て軸を定めていなかったから』
ということがあります。
もちろん、情報収集だけして現地に下見に行かなかった、思っていたのと違った等、様々な理由もあります。
が、”思っていたのと違った”というのは子どもの成長にも当てはまります。
特に、
・英語は話せるようになったけれど、日本語が話せない。(もしくはセミリンガル、ダブルリミテッドになってしまった。)
・”日本人”ではなくなってしまった。
・いずれ日本に戻ろうと思っていたが、子どもが日本社会に適応できそうにない。
※セミリンガル、ダブルリミテッド・・・どちらの言語も満足に使いこなせない状態。
など、いわゆる子どものアイデンティティの問題。
「海外で生活しているけれど、両親は日本人だし家庭内で日本語を使っていれば、日本語も日本人としてのアイデンティティも大丈夫だよね」
と思うのは実は早計です。
家庭内でいくら日本語を使っていようと、日本語力の維持、向上と日本人としてのアイデンティティ(価値観)の形成は簡単にはいかないのが現状です。
海外教育移住を0-6歳までにするなら尚更、子どもが”日本人”ではなくなる可能性が高くなります。
日本語で話す、聞くはできたとしても、読み書きはできなくなる(怪しくなる)可能性大。
特に日本語はひらがな、カタカナ、漢字を使用しますので読み書きの難易度は高く、海外移住をしている日本人家庭の方も、お子様の日本語力維持のために相当な努力をしているようです。
また、日本人が周囲にいない海外では、日本人として文化的価値観、道徳観の形成が難しくなります。
学校でも日本のことを学ぶ機会が(当然ですが)日本の学校よりも少なくなるので、”日本人だけど日本のことについてよく知らない”という状態にも陥りやすくなります。
それでも日本人であることには変わりはないため、”日本人だから”と差別に合うこともあります。
他にも、
・(求める質がぼんやりした状態で移住してしまったため、)自分が求めていた教育の質ではなかった。
※海外教育移住で成績が下がることもあります。
・子どもが馴染めず苦しんでいる。
・差別やいじめを受けるとは思っていなかった(海外ではそんなものはないと思っていた)。
などということもあります。
そうなると、
「海外へ移住すれば英語も話せるようになるし、グローバルで活躍する力も勝手に育って全て安心だと思っていたのに・・・
こんなはずじゃなかった。」
という、”思っていたのと違う=悔いが残る”という結果になってしまうのです。
もし海外教育移住の前に、
「日本人としてのアイデンティティ、核をしっかり持ちながら、世界で活躍できる〇〇な力も育ってほしい!
子どもが社会にでる年には〇〇な人に育っていてほしい!」
という子育てのゴール=子育て軸がしっかり定まっていたら?
「〇歳までは日本でこんな幼稚園、学校に通わせて、日本人として〇〇が育つようにしよう!
海外移住はその後〇歳からで移住先では〇〇が育つようにしよう!そのためにはこんな環境が良いな。それが叶う国や学校に行こう!」
としっかりと計画を立てることができ、失敗や悔いが残る可能性はうんと低くなります。
お金はともかく、子どもや貴方の貴重な時間は取り戻せません。
海外教育移住が失敗や悔いのない、実りある教育移住のためにも、
『子育てのゴール=子育て軸』
をまずはしっかり定めることが必要なのです。
ここまで、海外教育移住をするならまずは大前提として、
「子どもが社会にでる年齢になる頃にはこんな人に育ってほしい」
という子育てのゴール=子育て軸を定めることが、失敗や悔いのない海外教育移住のために必要だと述べてきました。
更にもう1つ、海外教育移住を思い切り楽しんで過ごすために、知っておいていただきたいことがあります。
それが、
『海外教育移住=安心ではない』
ということ。
今の日本では、
「海外教育移住や親子(母子)留学をすることが子どものために一番良いことだ!海外へ行けば安心だ!」
とある種のステータスのようになってしまっていますが、海外教育移住をすれば、勝手にグローバルに活躍できる完璧な子に育つわけではないのです。
・日本人としてのアイデンティティ問題
・セミリンガル、ダブルリミテッド問題
・差別やいじめがある問題
などなど、海外へ行くにも越えなければならない問題があります。
海外教育移住をする際には、このような面までしっかり吟味した上で決断する必要があります。
そのためにも、子育てのゴール=子育て軸を定めることは必要なのです。
繰り返しになりますが、
「子どもが乳幼児期(0-6歳)から海外へ出る=安心というのは幻想」
です。
”海外でしかできないこと”というのは、実はあまりないのです。
今後の世界で活躍できる人になるための子育ては、育てる側の意識を少し変えれば、日本国内でだって十分可能なのです。
※これはインターナショナルスクール入園に関しても同じことが言えます。
・子どもが社会にでる年齢になる頃にはどんな人に育ってほしいのか。
・そのためにはどんな力が必要なのか。
・その力のどこまでを日本で育て、どこまでを海外で育てたいのか、本当に海外へ出ないと育たないのか。
などの子育てのゴール=子育て軸を定め、子育ての土台をきちんとつくることが、悔いのない道を進んでいくための秘訣です。
また、海外教育移住では親である貴方自身が移住先で楽しんで生活できるかも意外と重要です。
子どもは親が大好きで親の背中をよく見ています。
大好きな親が苦しんでいる環境は、子どもも苦手になる可能性が高いのです。
”愛する我が子のためになるなら”と頑張りたくなる気持ちも分かりますが、無理をしないことも、子どものためには大切。
”子どものために”とあまり自分を犠牲にしすぎないようにしてくださいね!
子ども&貴方の可能性は無限大!
Category 専門家コラム . 真のグローバル人の育て方 2020.02.03