せかいくでは英語を教えることはなく、インターナショナルスクールなどに入って英語を幼少期(0~6歳まで)に学ぶことはオススメしていません。
その理由は、
・まずは母国語をしっかり確立した方が英語習得度も早いというインターナショナルスクールの現場での事実
・10年後、20年後に差を分けるのは語学力ではなく人間力であること
・6歳までは木で例えると根っこを強く、太くする時期であるため、根っこ=人間力を身に付けることが先決(英語力は葉)
・英語はあくまでツール(道具)であり、中学生や大人になってからでも十分身に付く
などなどの根拠があるから。
しかし、英語教育を否定しているわけではありません。
確かにせかいくでは英語を教えることはしませんが、”地球には色んな国があって、色んな人がいるんだよ!”という多様性を伝えることはとても大切にしています。
なぜなら、多様性を受け入れられる柔軟な思考を持つことが、今後の世界(国際社会、グローバル)で通用する『人間力』に繋がるからです。
英語教育においては多くの人が、
「6歳までに読む、書く、聞く、話すの4技能をなるべく早く習得させること」を目的
にしてしまっていますが、本来、6歳までの英語教育の目的とはこれらの目に見える4技能の習得をさせることではなく、
・多様性を知ることを楽しめる
・多様性を受け入れられる
という「人間力の1つを育てるために行う」ものなのです。
6歳まで(もちろんそれ以降も)にはこの多様性を、お子様自らが楽しい!もっと知りたい!と感じてもらうようにすることが必要不可欠。
この興味関心が後の語学力獲得にも繋がってくるからです。
そこで今日は、お子様に多様性を”楽しい!もっと知りたい!”と感じさせる、
『家庭でできる!(英語を教えるのではなく)親子で多様性を楽しむグローバル教育』
をお伝えします。
目次
私は旅をすると、必ず旅した国の言語で書かれた絵本を買うことにしています。
その理由は、国が違えば文字の形も違うし、絵のタッチも「これは日本にはない!」というものがあって、意味がはっきり分からなくても見ているだけで、多様性を感じることが出来るからです。
そして絵本の最大のメリット(メリットその1)は、
「意味が分からなくても絵を見ていればどんなお話か分かる」
こと。
他にも、こんな3つのメリットがあります。
これは日本語の絵本でも英語(他言語)の絵本でも、まったく同じです。
むしろ意味が分からないからこそ、絵だけを見てストーリーを考えるなど、思考力を養うことが出来ます。
前述したように、英語や他言語の絵本だと、日本では見たこともない光景が描かれていたり、日本では一般的ではないことが書かれていたりします。
子どもは、普段の生活に馴染みのないものに触れることで、それを許容できる寛容な心が養われるのです。
違うものを排除するのではなく、「違うことって、なんて楽しいんだ!」と感じることが、グローバルへの道の第1歩になるのです。
絵本の読み聞かせをすることで、声をかけあったり、一緒に繰り返したりすることで、コミュニケーションを取ることが出来ます。
「親と一緒に英語の絵本を楽しめた」
という経験が出来ると、”英語=楽しいもの”という認識になり、将来の語学力習得に繋がります。
絵本が子どもに多様性を感じさせるには良い素材なのは間違いないですが、導入に際してどの基準で英語絵本を選ぶか、ということもとても大切です。
英語絵本の選定で押さえるべきポイントは、たったの3つ。
その1. 繰り返しが多いこと。
その2. ページ数があまり多くなく、絵と言葉が1対1で対応しているもの。
その3. 日常生活を描いているもの。
これだけです。
実はこのポイント、貴方もきっと意識せずに行っているものなのです。
日本語の絵本をお子様に与える場合も、このようなポイントを自然と押さえていませんか?
例えば・・・
「いないいないばあ」「だるまさんがシリーズ」「くっついた」「しろくまちゃんのホットケーキ」「はらぺこあおむし」
などなど。
言語を習得する段階のあかちゃん絵本はまさにこの3つのポイントのオンパレードなのです。
なぜなら、『言語は繰り返し反復することで習得していくものだから』です。
言語習得のためではなく、多様性を楽しい!と感じてもらうためにも、このポイントを押さえた絵本を選ぶことが重要です。
※ちなみに・・・NHKのえいごであそぼの総合指導をされている佐藤久美子氏のおすすめは、『Oxford Reading Tree』シリーズだそうです。
これは、イギリスの小学校の約80%が導入している教科書で、3つのポイント全てを満たしているのだとか。言語習得も視野に入れるのなら、ぜひ読みたいシリーズですね。
はじめての英語絵本にはRichard Scarryの英語絵本、『Best First Book Ever』もオススメです。
これ以外でも、”文字がわからなくとも絵をみて何をしているのか分かるもの”を選ぶのがポイントです。
NHKのえいごであそぼの総合指導をされている佐藤久美子氏のおすすめは、『Oxford Reading Tree』シリーズですが、せかいくでは多様性をより絵本で楽しく感じてもらうには音と一緒に読むことをオススメしています。
繰り返しが多い絵本の場合は親子一緒に口ずさむのももちろん良いのですが、音と共に絵本を読むと、より楽しさが倍増します。
せかいくのオススメはこの3つ。
これは単純な繰り返しなので、2-3歳からでも楽しむことが出来ます。
もう少し年齢が上がると、
これは早口ではありますが、コートをどんどんリサイクルするお話しなので、日常生活に紐づいています。
※上記動画では絵本の途中で終わっておりますので、音源を下記に載せておきます。
ちょっと道徳的なものでいうと、次にご紹介する絵本がオススメ。
これは、ANANSIというお父さんグモとその6匹の子どもたちのお話。
ある日、ANANSIに次々と試練が降り注ぐのですが、6匹の子どもたちがそれぞれの特技を活かして
お父さんを助ける!
という物語です。
これはアフリカの物語なので、絵柄も独特で多様性にはもってこいです。
そう、これでお分かりのように、ここで言う音とはお子様にも身近な(!?)Youtubeを使う、ということ。
ただし!見せるのはYoutubeではなく、あくまでも絵本です。
ここはぜひ押さえておいてください。
Youtubeは音のみ聞こえる状態にしておいて、絵本のページを音に合わせてめくったり、音に合わせてリアクションしたりすると、とっても楽しい絵本TIMEが送れます。
忙しくて時間がない場合でも、この使い方で絵本を一冊一緒に読むだけで、お子様とコミュニケーションが図れます。
発音に自信がない、という方も上記の方法であれば、大部抵抗がなくなると思います。
日本人は発音をすごく気にしますが、実は世界的に見ると発音は些細なことなのです。
世界に出れば、「これ、本当に英語??」と思わず首をかしげてしまうような発音をする人はたくさんいます。
しかし、彼らは堂々と自分の意見を伝え、グローバルに活躍しています。
英語をはじめとする外国語は、あくまでコミュニケーションの1つのツール。
ネイティブを目指す必要はまったくありません。
それでも、やっぱり発音が気になる!というお気持ちもよく分かります。
そんなときは、上記のように、道具(Youtubeなど)の力に頼ってみましょう!
今は絵や文字にペンをあてると読み上げてくれるものもあります。
また、分からない部分は一緒に調べるなど、学習の1つとすることも、お子様の興味関心を広げるのにとても有効です。
いかようにも楽しめるのが英語絵本の良いところ。
英語絵本で英語に興味関心が出てきたら、日常生活の中に取り入れたりしてみるのも良いと思います。
ただし!忘れてはいけないのが、『親子共に楽しむ』ということ。
一方通行に聞かせるだけ・見せるだけということをしたり、テストをしたり、ということはNGです。
あくまで自然に楽しく視野を広げること
異文化・他言語への興味関心を高めること
などという、多様性を楽しめる人間力を育てることを目的に、英語絵本を日常に取り入れてみてくださいね。
子ども&貴方の可能性は無限大!
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