日本は習字や箸の持ち方などから、「右利き」の方が何かと(?)良いように思われています。
実際に、日本人の多くは右利きです。
もし、自分の子どもが左利きかな?と感じたら、あなたならどうしますか?
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お悩み相談をくださったお母さまも、お子さんに「絶対に右で!」という強制はあまりしたくはないとのことでした。
けれど、”お箸を持って食事をするときに、左利きだと隣の人と当たってしまい、大変だろうなと思うので・・・”
というような、「食事をする時には右手を使ってほしい」という思いがあるようでした。
確かに、「絶対に右にしなさい!」と強制することはよくありません。
子どもがストレスを感じてしまうからです。
では、どのようにしていったら良いのでしょうか?
そもそも、人間の利き手はいつ決まるのでしょうか?
利き手には、遺伝的な要因と環境的な要因があると言われています。
・両親がともに右ききの場合・・・子どもが左ききになる確率は100人に2人。
・父親、母親のどちらかが左ききの場合・・・子どもが左ききになる確率は100人に17人。
・両親が2人とも左ききの場合・・・100人中46人の子が左利き。
これは、あるグループの子どものきき手を調べて、その後何年かにわたって追跡調査をしたというデータです。
☆2〜4歳時代
右きき 38.1%
混合型 21.4%
左きき 40.5%
☆2年後
右きき 75.4%
混合型 5.7%
左きき 18.9%
さらに小学校に入ってから再び調べてみると、字を書くことだけに限っていえば、85%もの子どもが右ききになってたそうです。
これは、家庭や保育園、幼稚園など、子どもが育つ環境の影響が大きいことがあげられます。
右手を使う人ばかりの中で生活をしていると、左手が優位な子どもたちも、周りの人たちのまねをして右手を使ってみたり、また保育園の先生や両親などから、右手を使うように言われる場面があったりします。
そんなふうに過ごしているうちに、もともと混合型だった子どもたちが、自然と右ききになっていくというわけですね。
利き手がはっきりしだすのは、2歳を過ぎてからと言われています。それまでは、子どもに”利き手”の意識はありません。
しかし、利き手が本当に決定するのは小学生になるころです。
もし、右手にしたいと思うのなら、さりげなく物を右手で持たせたり、親が右手を使っているのを見せたりして、強制ではなく、『右手も左手と同じように上手に使えるように』という意識で促してみましょう。
また、左右が分かり、自分でなんでもやりたい時期になると、「右手で持とうね」と声をかけても、「左!」とわざと反対のことを言って親を困惑させることもあります。
「こっちの方が上手に(かっこよく・きれいに)持てるよ」
などと、あえて左右を言わないのも1つの手。
上記のデータにもあるように、幼少期は左利きでも、小学生になることには自然と右になっていくことがあります。
相談してくださったお母さまも、このデータに安心してくれたようでした。
また、子どもの発達は一朝一夕にはいかないもの。
左を使うたびにイライラするのでは、子どもも親も、ストレスになってしまいます。
”ゆっくり、のんびり、さりげなく”
の三拍子でいきましょうね(*^-^*)