小学校で使う鉛筆。みなさんは、鉛筆と言ったら何を思い描きますか?
HB?B?2B?
私は鉛筆と言ったらHBなのですが・・・実は、最近の小学校はBか2Bに指定しているところが多いのだそうです。
その理由とはなんでしょうか?
目次
小学校が鉛筆の濃さを指定している理由は、『子どもの筆圧が弱くなっているから』です。
最近の子どもたちがHBの鉛筆で書いた文字は、薄すぎて読めないのだそうです。
子どもはぐっと力を入れて書くものだと思っていたので、「薄すぎて読めない」ということに衝撃を受けました。
この夏も、小学生が宿題をしている場面を見守っていましたが、確かに子どもが使っているのは2Bが多かったです。
こちらから見ると、ぐっと力を入れて書いているように見えるのに、HBでは読めないほど薄いなんて驚きです。
「筆圧なんて子どもの成長には関係ないのでは・・・?」
と思うかもしれません。しかし、筆圧は子どもの成長と大いに関係しているのです!
なぜなら・・・『手の指の力と脳の前頭葉の発達とは深い相関性をもっている』から。
指の力が弱いと、”物事を総合的に判断する能力の発達が遅れている”と考えられているのです。(談:宮崎大学医学部教授)
弱くなってきた理由としては、体をバランスよく使う機会が少なくなったこと(=指を上手に使えない、器用さがない)が上げられます。
1.日頃から手を使っていない。とくに,指の力を用いる経験が少ないために、指に力がない。
→ゲームやスマホに慣れているので,触れるスピードは早くなるが,指に力を入れる経験が圧倒的に少ない。
2.親指・人差し指・中指・手首・前腕の力、これらをバランスよく使う経験が少ない。
→ビンのフタを開けられない、ボタンが留められないという姿が見られる。
指の力以外にも、外で体を使って遊ぶ機会が少なくなってきたために、”ロコモティブ・シンドローム”(→「雑巾が絞れないと要注意!?それってロコモ予備軍かも!? 」)という現象が子どもにも起きています。
幼児期にはできていたことが、小学生の高学年になるとできなくなることが多いようですので、日ごろから体を動かすことが重要です。
(例:かかとをつけてしゃがめない、手をつかないと立ち上がれない、しゃがむと後ろに転んでしまうなど。)
脳科学の澤口先生は「家事がよいです。ご褒美をもらえば、脳も活性化するので、好循環になります。」と語っています。
では、指を上手に使えるようになるために、未就学児の頃にはどのような活動をしていけば良いのでしょうか?
決して文字を覚えさせろということではありませんが、指を使う機会を増やすことは大切です。具体的には、
・ボタンを留める
・ビンのフタを開閉する
・お絵かきをする
・はさみ、のりを使う
・粘土遊びをする
・・・など、”たくさんの遊びをすること”です。
指先を使う遊びをしなくちゃ!と神経質にならなくとも、”たくさん遊ばせよう”と思えば大丈夫ですよ!
いかがでしたか?
たかが筆圧と侮ってはいけません。ここから、子どもの体の発達が見えるのです。
指先はもちろん、体全体を使って、バランスを鍛えられるよう、ぜひ遊ぶ機会をたくさん作ってあげましょう(*^-^*)