さて先日熱中症かも・・・とお伝えしたのですが、風邪でした。
ご心配をおかけしました。
けれど、幸いアデノウイルスではありませんでした。
みなさんはアデノウイルスってご存知ですか?
今、私の職場で大流行中のこのウイルス。実はインフルエンザの次にもっともポピュラーなウイルスなのです!
目次
アデノウイルス感染症とはインフルエンザとは違い、季節性がありません。
そして、症状も軽いカゼ程度のものから重症の扁桃腺炎や肺炎、さらには結膜炎や嘔吐・下痢症など実にバラエティに富んでいます。
また、扁桃腺炎や結膜炎などはその症状が非常に強く、細菌感染によるものと見分けがつかないことが度々あります。
細菌性のものでは通常、抗生剤が効くのですが、アデノウイルスによるものだと、抗生剤が効かないため、”外来で治療していても一向に熱が下がらない”なんてこともあるのです。
‘アデノ’とは扁桃腺やリンパ節を意味する言葉です。アデノウイルスはその名のとおり、扁桃腺やリンパ節の中に潜んで増えます。人に感染するアデノウイルスは現在49種類知られており、それぞれ番号がついていて、どの種類がどんな病気を起こすのか、ある程度わかっているのです。
では、そんなウイルスが引き起こ症状とはどんなものがあるのでしょう?
①上気道炎、気管支炎
いわゆる風邪の症状です。時には高熱がでることもあります。
②肺炎
アデノウイルス7型は5歳以下の乳幼児がかかることが多く、髄膜炎、脳炎、心筋炎などを併発することもあります。
③扁桃腺炎
扁桃腺に膿がつき、高熱が3~7日間続くことが多いです。
④咽頭結膜熱(プール熱)
これが一番有名かもしれませんね。高熱が3~7日持続し、扁桃腺の腫れ、のどの痛みを訴えます。両目または片目が真っ赤に充血し、目やにが出ます。夏にプールを介して流行することがあるため、プール熱とも呼ばれています。しかし、プールに入らなくても飛沫や便などを通して感染します。
⑤流行性角結膜炎
これもアデノウイルスが原因で起こることがあります。主としてアデノウイルス8型が起こします。
⑥胃腸炎・嘔吐下痢症
ノロウイルスやロタウイルスと同じく、嘔吐下痢症の原因となります。
良く聞く病状はこれら6つですが、他には出血性膀胱炎や無菌性髄膜炎になる場合もあります。
以前は診断が難しかったアデノウイルスですが、現在はインフルエンザのように簡単に診断が可能になりました。
抗生剤が効かないと聞くと不安になるかもしれませんが、対症療法で自然に治ることが多いので安心してくださいね。
とは言え、きちんと病院で診断と治療をすることが大切。
暑くなってくると増えてくる感染症。日ごろから子どもの体調変化に注意してあげてくださいね(*^_^*)
Category 専門家コラム 2015.06.19