”くる病”という病気を聞いたことはありますか?
「それなに?」と思う方も多いと思います。それもそのはず、この病気は日本でも、戦後一時期には見られましたが、
食糧事情の改善と共に、姿を消し、過去の病気と思われてきたからです。
けれど、実はこのくる病、最近乳幼児の子どもたちに増えているのだというのです!!
いったいなぜ増えているのか?くる病とはなんなのか?
今日は増える”くる病”についてです。
簡単にいうとくる病とは・・・足などの骨が曲がって変形し、進行すると、歩行困難になることもある病気です。
もう少し詳しく言うと、骨や軟骨が石灰化障害により、類骨(るいこつ。石灰化していない骨器質)が増加する病気で、骨が成長しきる前の小児(=乳幼児など)に発症するものをくる病といいます。これに対して、骨が成長した後に発症するもの(=大人)を骨軟化症(こつなんかしょう)といいます。
・頭蓋の軟化、低身長、下肢の変形(O脚やX脚)
・肋骨の突出=肋骨念珠(ろっこつねんじゅ)、胸郭(きょうかく)変形、
脊柱(せきちゅう)変形(後側湾(こうそくわん)) 背中の骨が曲がっている→
・低カルシウム血症を伴う場合には、筋緊張の低下、歩行障害(あひる様歩行)など
が見られます。決して足だけにみられる病気ではないのですね。
←ちなみに、足のレントゲンをとると、このようになっています。
ではなぜ、くる病になってしまうのでしょうか。その原因は・・・
ビタミンD不足!
食べ物から摂取されるほか、日光が皮膚にあたっても作られるビタミンD。
そんなビタミンDには、骨にカルシウムやミネラルを沈着させる働きがあり、骨の成長に欠かすことは出来ません。
このビタミンDが不足すると、カルシウムなどの沈着が悪くなって、骨が柔らかくなり、“くる病”になりやすいのです。
最近、関東地方の健康な子ども、69人の血中ビタミンD濃度を調べた結果、なんとおよそ4割の子どもが、不足していたのです!
東京大学大学院の北中幸子(きたなか・さちこ)准教授も、
「“くる病”が増えている原因は、ビタミンD不足の子どもが多いからだ」と指摘しています。
ではなぜビタミンD不足に陥るのか?どのようにすれば良いのか?
それはまた次回、お伝え致します。