「さるかに合戦」「カチカチ山」「桃太郎」「シンデレラ」「白雪姫」・・・
昔話=童話はいつの時代も子どもたちにとって身近で大切なものですよね。
童話から学ぶことも多くあると思います。
そんな童話、現代では内容がかなり変化しているということはご存知ですか?
いったいどんな風に変化しているのでしょう?
皆さんは、これらの変化にどう思うでしょうか?
目次
では、具体的にどのように変化をしているかというと・・・
皆さんご存知、桃から生まれた男の子がたくましく成長し、犬、猿、きじを家来にし鬼が島に鬼退治に行くというストーリーです。
約30年前の「桃太郎」では、
「ももたろうが きびだんごを あげると、犬は よろこんで ももたろうの けらいに なりました。」
と書かれており、きびだんごという食べ物によって主従関係を結びました。
しかし、今発行されている「桃太郎」では・・・
「さるもやってきました。」
「ぼくもいくよ。」
「本当かい?じゃあ、力がつくきびだんごをあげるよ。なかまがふえてうれしいなあ。」
と書かれており、家来ではなく仲間、つまり主従関係ではなくなっているのです!
また、鬼を退治する方法もずいぶんとマイルドになっており、最後に宝をもらう場面では、
「ももたろうたちは たからを もちかえると、一つずつ もちぬしの ところへ かえしました。」
と書かれているのです。
これに対して、
”いくら鬼を退治しても、宝物をネコババすると横領罪にあたるため、きちんと持ち主のもとへ返しに行っているのです。(※1)”
という解釈があり、”そうかもしれない・・・”と感じました。
続いてはさるかに合戦。こちらは、合戦という言葉があまりよくないと捉えられているのか、タイトル自体が『さるかにばなし』に代わっています。
さるを懲らしめる方法も、桃太郎と同じようにマイルドになっています。
これも私の中ではびっくりするほどの変化をしていました!
なんとオオカミはおばあちゃんを食べずに「クローゼットに監禁」するのです!
最後はそれでも赤ずきんちゃんを食べようとしたオオカミが、赤ずきんちゃんに軽くかわされてやる気をなくし退散する(※1)というものになっているようです。
現代の昔話がこんなにマイルドになっているなんて知らなかったのですが、実は、私たち(今の大人たち)が知っている昔話も、
“実は本来の話よりだいぶマイルド”
になっているのです。
昔話の古くは口伝であったり、その多くは子どもたちに親しまれてきたりしたものであるため、
「子どもに見せる・聞かせるべきではない」
と感じた部分を、削除したり変化させたりしているのです。
これは時代背景にも影響している(※1,※2)と言われています。
中世では絵本を通して政治的な意味合い・教訓を子どもたちに伝えたいという思いもあったようです。
それが時代背景とともに、だんだんと変化していったのでしょう。
このような昔話の変化を、みなさんはどう思われるでしょうか?
その時代に合った内容に変化することはある程度、必要なことなのかもしれません。
しかし、あまりにも本来の内容とかけ離れてしまっては、1つの歴史が消えてしまうようで、なんだか寂しく思うのは私だけでしょうか?
現代の昔話はそれとして、ぜひ小学生くらいになったら、本来の昔話も読んでみて欲しいと思います。
「残酷」だと感じる話もあるかと思いますが、本来の話を知ることで様々な思いや学びを得られるのではないかと個人的には思っています。
かくいう私も、本来の昔話は「怖いな」と感じつつ、
”こんなことをしたらこんな目に合うんだ”
などと学ぶことが出来ました。
じっくり読むととても面白い昔話。
親子で、”おかあさん・おとうさんの時にはこんなお話しだった”と話し合うのも面白いかもしれません。
ぜひ、たくさんのバリエーションの昔話に親しんで下さいね!
昔話の変化について面白い考察をしているものがありましたのでご紹介します。ぜひご覧下さい!
※1:「これはひどい!話が違うのでは・・・おなじみの昔話が変化している」
また、なぜ、最近の絵本がマイルドになっているのか?ということの解説も。
私とは違い(!?)、すっきりまとまっており、”なるほど~”と勉強になります!
※2:「本当は壮絶な「昔話」――なぜ最近の絵本はマイルドに描かれているのか?」