おはようございます。
「お子様がこれからの世界で活躍するために何が必要か分からない。」
そんな”教育迷子”の方に、英語の先を見据えた世界教育を提供する教育コンサルタント、Masamiです。
せかいくでは世界共通「言語」ではなく、
『世界基準の国際マナー・ソーシャルスキル』
を幼少期から身に付けることが、世界で活躍出来る力になると考えています。
教育迷子から抜け出し、子どもの可能性を伸ばすには、この国際マナー・ソーシャルスキルも欠かすことのできない要素なのです。
国際マナーやソーシャルスキルは、何もテーブルマナーだけ、挨拶だけ身に付けておけばよい、ということではありません。
一番大切な根本にあるのは、
「他者をどう理解し、どう関わるか」
という部分なのです。
お子様が大人になる10年後、20年後は、より多様な人たちと関わるようになるからこそ今からきちんんと学んでおきたい、”他者理解”があります。
その1つが「宗教」です。
目次
お子様が大人になる頃には、今よりも多様な人たちと関わるようになるのは明確。
そのためにはまっさきに外国語習得を!と意識するかもしれません。
もちろんそれも良いことですが、
本当に必要なのは、前述したように、
「自分と違う文化・風習・考えを持つ人をいかに理解するか」
という『他者理解』なのです。
日本にいるとなかなか気付きにくいですが、外国の方の文化や考えは”宗教”に基づいているものが多いのです。
貴方はお子様に、
「なぜテロは起こるの?」
などと聞かれたとき、その問いに答えられるでしょうか。
また、自分とはまったく違う文化や考え方を持っている人とどのように関わるでしょうか。
今、貴方は「イスラム教徒」にどんなイメージを持っているでしょうか。
・豚が食べられない
・お酒が飲めない
・危ない宗教だ
・ちょっと怖い
・なんとも思わない
など、感じ方は人それぞれだと思いますが、イスラム教をしっかりと理解している人は、それほどいないのではないでしょうか。
内藤正典氏の著書、
『となりのイスラム~世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代~』
には、著者の内藤氏が長年研究してきた、私たちが知らないイスラム教徒の姿がたくさん描かれています。
この本、本当に面白いです!
私たちがイメージしているイスラム教・イスラム教徒と真実の姿は違う。
その差を知れば知るほど、私たち大人は、いかに物事の表面だけを見て、他者を理解したつもりになっていたのかに気付かされます。
そして、上辺だけの他者理解は、私たち大人にとってはもちろん、そのお子様にとっても真のコミュニケーションを与えることにはならないのです。
さて、ここからはせっかくですのでご紹介した著書の内容ではないところから、日常の疑問(?)を解決できればと思います。
まず、イスラム教と聞くとふと思うのが、
「左手は不浄のもの(用を足すときに使用したりするため)とされているから、食事の時は使わないのではないか」
ということ。
「それってヒンズー教も一緒ではなかったかしら?」
「食事の時は絶対に左手を使ってはいけないの?」
など、考えれば考えるほど、疑問に思いますよね。
イスラム文化センターによると、
「イスラム教では
”左手は不浄とされている”
だから右手で食事を取る。」
と言われることがあるが、これは実は正しくないとのこと。
右手で食べるのは、『ハディース(預言者言行録)』に
「食べるときは、右手で食べよ」
とあるからで、特に左手が不浄ということではないそうです。
用を足すときに左手を使うからといって、手そのものが不浄なわけではないようで、
実際ムスリム(イスラム教徒)の方は食事の際、右手だけを使っているわけではなく、左手も使っているそうです。
(両手でつかんだり、分けたりするそう。
食べ物を口に運ぶときには、右手を用いるそうですが・・・)
※南アジアなどでは左手を不浄としている地域もある。
その方々は食事の際に本当に右手だけを使って左手を遊ばせておくそうなので、ムスリム(イスラム教徒)との違いがわかるそう。
「イスラム教=左手は不浄」ではないのですね。
※ちょこっと豆知識・・・イスラム圏では腕を組むことがお行儀の良いこととされ、授業で手を挙げる時にはウルトラマンみたいになるそう!
一方、ヒンズー教では「左手は不浄の手」とされています。
ただし、これは男性のみ。
女性にとっては逆に「左手が神聖な手」だとされているそうです。
また、手のみではなく、半身にも神聖な側があるようです。
男性→右手右足が神聖
女性→左手左足が神聖
とされています。
これらは、
「ヒンディー教の神がその右手から男性を、左手から女性を作った」
という神話に基づいているのだそう。
男女共に右手を使ってご飯を食べ、左手を使ってトイレで用を足したときにきれいにしますが、それ以外では男性は右半身を、女性は左半身を使うことになっているのだそうです。(例えば、人に手を振るときや人に何か差し出すとき)
その他にも、
男性は右足から部屋に入らなければならず、女性は左足から入る。
という決まりもあるそうです。
いかがでしたか。
「左手は無条件に不浄の手だ!」と思い込んでいましたが、調べてみるとそれぞれ違うことが分かりますね。
より詳しく調べると、もっと様々な解釈が出てきそうです。
さて続いて。
イスラム教にといえば、前述したイメージにもありましたが、
『お酒もお肉も決して飲んだり、食べたりしてはだめ。』
というイメージがありますよね。
しかし、イスラム教徒であっても食べていいお肉があります。
「それって四足の動物はだめって聞いたことがあるから、食べられるのは鶏肉のこと?」
いえいえ、牛肉だってある条件があれば食べられます。
その条件とは『ハラール』であること!
アラビア語で「許された」という意味で、「ハラル」とも言います。
イスラム教の教義=ルールに従っていると判断されるものがこれに当たり、必要な作法どおりに調製された食品のことをさします。
これに対し、最近ではハラールではないものを、「非ハラール」と呼ぶことがあります。
「ハラールフード」はイスラム教徒の聖典コーランに、”食べてもいいもの”として明確に定められています。
つまり、お肉もハラールであれば食べてもOK。(イスラム教のルールに従って屠殺した肉ならOK)
具体的にはどういうことかというと、
・その家畜の餌にハラールに違反したものが入っていないこと
・屠殺の行為は必ずムスリムがアッラーの御名を唱えて行うこと
などの厳密なルールを守った鶏・牛肉ならば食べてもよいということです。
※ちなみに・・・海で採れる魚介類や野菜は食べられますが、日本ではハラール認証店が増えてきているとはいえ、世界に比べてまだまだ少ないため、一般的な日本の飲食店では食べられるものがほぼない状態になります。
イスラム教徒の聖典コーランに明確に記載されている「ハラールフード」。
ハラールであればお肉を食べても良いのですが、ただ1つ例外があります。
それが「豚肉」。
コーランでは豚(とアルコール)が全面的に禁止されているため、イスラム教徒の方はこれらを口にしません。
”豚は不浄な動物”とされているのです。
※そのため、そもそも豚がハラールフードになっていることはないと思われます。
ヒンズー教では、”牛は神聖な動物”とされているため、ヒンズー教徒の方々は牛肉は食べません。
お子様の才能、可能性を活かす場は、もはや日本だけにとどまりません。
世界中いろんな国に、お子様が活躍する場があるのです。
そして、貴方のお子様と同じ人は、世界中どこを探してもいません。
だからこそ、”いかに他者(宗教含む)を理解できるか”が重要なのです。
※これが国際社会においてのマナー・ソーシャルスキルにも繋がります。
他者を理解し尊敬せず、一方的に自分の意見を述べるだけでは、ビジネスにしてもコミュニケーションにしても、よりよい方向へは向かわないからです。
そのためには、親である貴方ご自身が、しっかりと他者理解をする背中を見せてあげることが、お子様の才能を存分に活かせるようになるためにも必要なのです。
表面だけで分かった気になるのではなく、貴方ご自身も、
「なんでだろう?」
と思う好奇心のココロを忘れないでくださいね!
何も知らないよりは、少しでも知っている方が世界も広がり、厚みのある魅力的な人間になれるのですから。
子ども&貴方の可能性は無限大!
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