私の知り合いに高校で教師をしている方がいます。その方が働いているのは中学で不登校になってしまったり、病気になり、高校を卒業することが難しかったりという方々が通われている高校なのですが、その方とのお話の中で、とても大切なことに気づきを得ました。
私は乳幼児のころからたくさんコミュニケーションをとることが大切ですよ!といつも伝えています。幼児教育者として働いている時も、子どもたちとはなるべくたくさんスキンシップをとるようにしています。しかし、幼稚園を卒園してしまうと、その後の子どもたちがどのように成長し、どのような大人になっていくのか、その過程を見ることは出来ません。
そこがもどかしくもあり、どのように育っていくのか見えないからこそ乳幼児期にどんな風に接していけばよいのか?とあれこれ複雑に考えもするのですが、ある時その高校教師の方から、「幼児期に愛情をもらえなかった子は、高校生になっても愛情を求める」という事実を教えていただきました。
具体的に言えば、「いつもベタベタと引っ付いて甘えてくる。抱きしめると、とても喜ぶ」のだそうです。
それを聞いて私はハッしました。
絵本を読んであげること、一緒にお風呂に入ること、一緒に食事をしながら話をすること・・・などなど、どれも大切なことですし、ぜひやってほしいことです。が、それをやろうやろうと、忙しい中から必死に時間を作っても、事務的にやってしまっては本末転倒です。子どもにとって何の意味もないだけではなく、むしろ子どもの方が親の負担を考えて遠慮してしまうようになるでしょう。
それよりも、”何も考えずにただぎゅーっと抱きしめてあげる”それだけで良いのだと思います。
抱きしめるだけならいつでもどこでも出来ます。言葉もいりません。一日1回でもいい。ただ、”あなたのことを愛しているよ”と抱きしめることで、全身でメッセージを送るのです。
抱きしめることは、”そのままのあなたをまるごと愛しているよ”というメッセージです。
自分が愛させていることを乳幼児期に実感した子は心身ともに自信に溢れ、健やかに育ちます。
私は少し難しくあれこれと考えすぎていた部分があるのかもしれません。私と同じように子どもを愛し、あれこれやってあげたいけれどすべてなんて出来ない!と思い、知らず知らずのうちにストレスを溜めていらっしゃる保護者のみなさま。
難しく考えなくても良いのです。ただ、目の前にいる子を抱きしめてあげて下さい。それだけで、十分あなたの愛情はお子さんに伝わりますよ。
Category 専門家コラム 2015.01.22