『絵本の読み聞かせが大事』
子育てをしていると、よく目や耳にしますよね。
でも、なぜ絵本の読み聞かせって大事なのでしょうか?
今日は改めて考えると疑問のある”絵本”について、
1. 絵本の読み聞かせ3つの効果
2. 絵本の読み聞かせQ&A!こんな時、どうすればいい?
3. 多様性を広げる絵本の紹介
の3つをテーマにお届けします。
『【解説!】絵本の読み聞かせには、どんな効果があるの?【0歳~6歳】』
『【多言語を楽しめる絵本!】世界のことばあそびえほん【3歳~6歳】【年少さん~年長さん】』
目次
絵本の読み聞かせには様々な効果があります。
ここではその効果を3つにまとめてご紹介します。
その3つの効果とは、
①親子間コミュニケーションが自然にとれる
②想像力・感情が豊かになり子どもの興味関心も広げる
③言語能力を刺激し学力にも繋がる
です。
1つ目の効果は『親子間コミュニケーションが自然に取れる』です。
「仕事や家事で忙しいと、なかなか子どもとゆっくりコミュニケーションを取る機会がない・・・」
「子どもと何を話したら良いのか、どんなコミュニケーションを取ったら良いのか分からない」
そんな時におすすめなのが絵本の読み聞かせ。
絵本の読み聞かせは当然ですが、自然と親子間でコミュニケーションを取れるため、親子間コミュニケーション不足を解消することができるのです。
大人側にとっても、”絵本を読む”という予め決まったものを読みますので、どうコミュニケーションを取ったら良いのか・・・と悩むことなく子どもと関わることができます。
仕事や家事で忙しくても、毎日1冊でも絵本の読み聞かせをすることで、毎日必ず子どもとコミュニケーションを取る時間を確保することができる素敵なツールが”絵本の読み聞かせ”なのです。
子どもにとっても大好きな親と毎日必ずコミュニケーションを取ることができますので、情緒の安定に繋がります。
『読み聞かせハンドブック』(The Read-Aloud Handbook)を著したトレース氏は、
「人間の声は親が子どもの精神状態を落ち着かせるための最も強力な道具である」
としています。
まさに読み聞かせは親子双方にとってメリットのあるものなのですね。
2つ目の効果は『想像力・感情が豊かになり子どもの興味関心も広げる』です。
子どもは絵本を通して物語の展開を想像したり、自分を登場人物に投影させたりしています。
大人でも小説やマンガ等の書籍を読むと、その世界に入り込み感情移入したり自分を投影させたりすることがありますよね。
子どももそれと同じように絵本の世界を楽しんでいるのです。
そして絵本を通して登場人物の気持ちを想像したり疑似体験をしたりしながら喜怒哀楽を学び感情を豊かにし、相手の気持ちを考えること、自分だったらどうするか等の想像力も育んでいるのです。
更に絵本を通して「こんなこともあるんだ!」「もっと知りたい!」という知的好奇心や興味関心を広げているのです。
※例えば、『やさいのおなか』や『たべもののたび』、『タンタンタンゴはパパふたり』など。
子どもの知的好奇心や興味関心を刺激するには絵本は最適な教材なのです。
3つ目の効果は『言語能力を刺激し学力にも繋がる』です。
実は絵本の読み聞かせは子どもの言語能力を刺激して語彙力や読解力を向上させることに繋がっています。
つまり国語力に繋がっているのです。
そして国語力、読解力があると算数等の文章問題でも効果を発揮することも。
例えば算数の文章問題では下記のような問題が出されますよね。
『たろうくんは、クッキーを8枚持っています。
そのクッキーを友だちのじろうくんに2枚、ゆみちゃんにも2枚、分けてあげました。
さて、たろうくんが今持っているクッキーは何枚でしょう?』
これを解くには引き算を知っていることももちろんですが、そもそも問題の意味が分からなくては解くことができないですよね。
正確には国語の読解力と算数の読解力は違うという意見もありますが、応用力を問われる問いが多くなるこれからの時代には、文章を理解する力・読解力・語彙力、そして文章を構成する力が必要であることは間違いありません。
絵本の読み聞かせをすることで子どもはこれらの力を自然と伸ばすことができ、結果的に学力にも繋がっていくのです。
絵本の読み聞かせの話をお伝えるする時、意外と悩まれているのが”絵本の読み聞かせ方”について。
ここでは「絵本の読み聞かせQ&A!」と題して、いただいた質問にお答えしたいと思います。
A.無理に意識して変える必要はありません。
子どもは頭の中に自分のイメージを作り上げながら絵本を読んでいます。(例:この登場人物はこんな人かな、こんな風に思っているのかな等と想像しながら読んでいる)
それは親のイメージとは異なる場合もあります。
大人が登場人物を演じてしまうことで子どもが自由にイメージすることができなくなってしまう恐れもありますので、無理をして変える必要はありません。
A.子どものイメージが膨らんでいるからこその行動だと思います。
子どもは読んでもらいながら絵本の世界に自分を投影させて楽しんでいます。
じっくり何度も見たいページもあれば、パッと見ただけで満足するページもあります。
「すべて読まなきゃ!」と思わなくても大丈夫です。子どもの好きなページを読んであげましょう。
A.絵本を読むことにばかり集中せずに、適度に目配せをして「いつでもあなたのことを見ているよ」というメッセージを伝えましょう。
また、子どもから質問が出たときには、読んでいる途中でも答えてあげましょう。
ただし、読み手の方から遮ったり、問題を出したり(例:うさぎさんが持っていたものはなにかな?など)するのはあまりしない方が良いでしょう。
それは読み聞かせが終わったときも同じです。毎回問題を出されると、子どもは疲れてしまい絵本嫌いにも繋がります。
大人でも、映画館で映画を観ている最中に急に問題を出されたりしたら集中力が途切れてしまい、物語に入り込めませんよね。また、毎回終わった後に問題を出されていたら、映画を観る気が起きなくなると思います。
それと同じです。
※ただし、終わった後に感想を話し合うのはOK。
絵本は勉強(記憶力)の道具ではないということはぜひ意識していてくださいね。
『絵本の読み聞かせ3つの効果』のところで、「絵本の読み聞かせは子どもの知的好奇心や興味関心を広げる」とお伝えしました。
これからの国際化社会を生き抜いていく子どもたちには必要不可欠な力である、多様性を楽しめる心(=みんなちがって、みんないいを当たり前だと思える心)を育むのにも、絵本は最適。
そこで今回は、子どもの中に多様性を楽しめる心を育む+世界に興味が持てるおすすめ絵本を2つご紹介します。
これはタイトルの通り、世界のことばが載っている絵本です。
載っている言語は、日本語はもちろん、英語・フランス語・中国語・ロシア語・スペイン語・スワヒリ語の6つ。
絵が描いてあるため分かりやすく、大人でも「へ~、こんな風に言うんだ!」と学びになり、親子で多言語に触れて楽しめる絵本になっています。
ぜひご家族で一緒に発音しながら楽しんでみて下さいね。
これは世界各国の都市をモチーフにした絵本です。
This is Paris
This is London
This is New York
・・・など、各都市の様子がかわいらしい絵と共に紹介されています。
※英語版の方がたくさんあります。
観光名所はもちろん、その都市で暮らす人々の生活の様子を知ることができるため大人が読んでいても面白いものになっています。
「実際に行ってみたい!」と思わせてくれる絵本です。
いかがでしたか?
絵本の読み聞かせは様々な効果・メリットがありますが、個人的に一番の効果は『親子間コミュニケーションが自然とできること』ではないかと思います。
親子間でコミュニケーションをしっかり取れると、お互いが(子どもだけではなく親も)信頼関係や自己肯定感をUPさせることができます。
絵本の読み聞かせは様々な効果があることで、「一日に数十冊絵本の読み聞かせをするべき!」「〇歳までに△冊!」などという考えもありますが、絵本は勉強のための道具ではありませんので、効果を求めすぎて無理をするのは本末転倒だと私は考えています。
何冊読んだかよりも、”いかに親子でコミュニケーションを取りながら楽しめたか”の方が大事。
ぜひ一日一冊は絵本の読み聞かせをして、親子でコミュニケーション、スキンシップを取る時間を楽しんでみてくださいね!
子ども&貴方の可能性は無限大!
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