『GRIT(グリット)』
という言葉をご存知ですか?
これは一言でまとめると、「やり抜く力」、「粘り強さ」のことで、非認知能力でもあります。
”これからの世界でわが子が活躍するためにはどんな力を育てていけば(伸ばしていけば)良いのか?”
と迷った時には、ぜひこのGRITを意識してみましょう。
なぜなら、GRITは生きていく上で欠かせない大事な力=生きる力になるからです。
目次
GRITとは、
Guts(度胸):困難なことに立ち向かう力
Resilience(復元力・回復力):失敗しても諦めずに続けていく力
Initiative(自発性・主体性):自分で目標を見つける力
Tenacity(執念) :最後までやり遂げる力
の頭文字をとったもので、ペンシルバニア大学教授のアンジェラ・リー・ダックワース氏が提唱したものです。
このGRITは活躍している多くの著名人(例:イチローやマーク・ザッカーバーグなど)が心掛けている、活用しているものであることから、”成功者の必須条件”とも言われています。
※参考:『【成功者の必須条件】グリット(GRIT)とは?「やり抜く力」に世界が注目』
成功者の必須条件と聞くと、生まれ持った才能が関係してきそう・・・
と思われるかもしれませんが、実はそんなことはありません。
GRITは生まれ持った才能や知能などは関係がなく、後天的に伸ばしていくことのできる力=非認知能力なのです。
だからこそ、幼少期に親が意識して環境を整え、伸ばしてあげることが重要です。
GRITを身に付けるメリットを一言でいうと、
『どんな世界・時代になっても活躍できる力=生きる力が身に付くこと』
です。
世界で活躍というと、=英語教育だ!と思われることもありますが、実は世界で活躍するのに必須なのは英語力ではありません。
いえ、もちろん英語力があることは大事なことではありますが、幼少期に最優先で身に付けさせるのは英語力ではないのです。
英語力がない状況でも、やりたいことを求めて海外へ出て活躍している方はたくさんいますよね。
その方々に共通しているのは、このGRITがあることなのです。
度胸、諦めずに続ける力、最後までやり抜く力、粘り強く伝えていく力・・・特に度胸(根拠のない自信ともいえる)があったからこそ、勇気をもって一歩を踏み出すことができたのです。
・英語を話せないから無理・・・
・完璧な英語を話せないから・・・
などと躊躇していては、チャンスを逃すことにもなりかねませんし、なかなか一歩を踏み出すこともできませんよね。
私自身の経験で恐縮ですが、インターナショナルスクールで働きたいと思った時、私の英語力は”0”でした。
でも働きたいと思って動いたら、保育スキルを評価していただき、働くことができたのです。
あの時、”英語は話せないから無理”と最初から諦めていたら、今の私はありませんでした。
貴方にもきっと、一歩を踏み出したからできるようになったこと、経験できたことがありますよね。
英語力は後からいくらでも身に付けることができますが、このような度胸、GRITを大人になってから身に付けるのは簡単なことではありません。
だからこそ幼少期からしっかりと意識して身に付けていく、伸ばしていくことが大切。
GRITが身に付いていれば、子どもはどんな世界・どんな時代になっても自分らしく生き抜いていくことができるのです。
まさに、これからの世界での活躍には欠かせない力といえます。
では、そんなGRITをどう伸ばしていけば良いのでしょうか。
実はGRITは家庭内で環境を整える(=大人が意識する)ことで、伸ばしていくことが可能です。
なにも特別な教室に通う必要はありません。
ここでは具体的に3つの方法をお伝えします。
「達成感を味わわせる」
というと、なんだか大きなこと(例:お受験に合格)を想定するかもしれませんが、GRITを伸ばすには、”小さな達成感=できた!”を”たくさん”味わわせてあげることが大切です。
例えば、
・靴を履く
・靴紐を結ぶ
・洋服を着る
・こぼさずにコップに飲み物を注ぐ
・料理をする
などなど。
日常生活の中で子どもがやりたい!と言ったこと、やりたい!と思っていることはぜひ積極的にやらせてあげてください。
・子どもがやると時間がかかるから
・まだ小さくてできないだろうから
・危ないから
と大人がやってしまうのは(極力)NG.
ついつい手や口を出してしまいたくなりますが、そこはぐっとこらえて、子どもを信じて待ってあげてください。
自分でできた時の子どもの嬉しそうな、誇らしげな笑顔をたくさん見てあげてくださいね。
それがGRITを伸ばすことに繋がっています。
GRITを伸ばすためには、ちょっと背伸びした目標を達成する経験も必要です。
簡単にできることでは、やり抜く力、失敗しても諦めずに続ける力、粘り強くチャレンジする力は伸びにくいからです。
そのちょっと背伸びをした目標が①の子どもがやりたい!と言ってきたものでもありますが、もし子どもからの”やりたい!”があまりないようであればこちらから、
「今度は〇〇できるかな?」
「〇〇に挑戦してみない?」
と提案してみてもよいでしょう。
ただし、押し付けはNGですのでそこは子どもの様子を観ながら行ってみて下さいね。
さて、子どもからのやりたい!を尊重してあげたいけれど、「え、さすがにそれは難しいのでは・・・」と感じる時もあると思います。
また、やらせてはみたものの、子どもができずにイライラしている、パニックになりそう、なんて時もありますよね。
そんな時は、すぐに親がやってしまう、諦めさせる・・・のではなく、
・ここまでは親が、ここからは子どもに任せる
・少しヒントを与える
・一部分のみ手伝う
など、”どうすれば子どもができるか”というサポート体制を考えてみてください。
子どもが『やればできる』と感じられる環境づくりを意識するのです。
0から全て自分でできるように!という体験ももちろん大切ですが、頑張っているのになかなかできないと、子どもは頑張ることが苦痛になってしまい、どうせ頑張ったってできない・・・という思考になってしまうことも。
これではGRITには繋がりません。
それよりは、大人が少しサポートをしてあげても、やればできるんだ!と思えることの方が大切。
それでも十分GRITは伸びるからです。
例えば、靴を履きたがったけれど、なかなかうまく履けずにイライラしている場合には、「なにがなんでも自分で履きなさい!」ではなく、さりげなく声を掛けながら、
・片方は履かせてあげる
・マジックテープの部分は大人がはがしてあげる
など、子どもができるように工夫する=環境を整えることが大事です。
これでも子どもは自分でできた!やればできる!という達成感を味わうことができます。
子どもと共に”どうすればできるか”ということを話し合うのもおすすめ。
ぜひ子どもの様子を観ながら、子どもが”やればできる!”を感じられる環境づくりを意識してみてくださいね。
実はGRITを伸ばすためには、ここが一番重要なポイントと言っても過言ではありません。
なぜなら、子どもが「〇〇やりたい!」と言ってきた時に、
・そんなの無理
・できるわけない
・やっても無駄
などと否定してしまっては、そもそも”GRITの種”さえなくなってしまうからです。
種がなければ育つものも伸びるものもありませんよね。
やりたい!を否定され続けてしまうと、子どもは”〇〇をやりたい”という想い(目標)を持つことさえなくなり、無気力になる可能性もあります。
そうなればやり抜く力、粘り強さは育つことさえなくなってしまいます。
子どものやりたい!はGRITの種です。
子どものやりたい!にはぜひ、まずは「いいね!やってみよう!」と肯定的に受け止めるよう意識してみてください。
もし難しいなと感じたら、②でお伝えしたような環境を整えたり、話し合ったりしながら、できる方法を模索していきましょう。
そこでもし仮に今は難しいという結論に達したとしても、”自分の想いを受け止めてくれた”ということは子どもにもしっかり伝わります。
この自分の想いを肯定的に捉えられた経験が、度胸(根拠のない自信ともいえる)や勇気、自己肯定感に繋がって、世界で活躍できる力、生き抜く力、そしてGRITにも繋がっていくのです。
どんな世界でも自分らしく生き抜いていくために必要なGRIT。
Guts(度胸):困難なことに立ち向かう力
Resilience(復元力・回復力):失敗しても諦めずに続けていく力
Initiative(自発性・主体性):自分で目標を見つける力
Tenacity(執念) :最後までやり遂げる力
これらの力は一朝一夕では身に付きません。
だからこそ、幼少期から意識して伸ばしていくことが大切。
そしてもちろん、大人も意識していけば更に伸びるものでもあります。
「〇〇をやりたい!」はGRITの種です。
〇〇をやりたい!という子どもの想いはもちろん、貴方ご自身の想いも大切に、ご家族でGRITをより伸ばしていってくださいね。
子ども&貴方の可能性は無限大!
Category 専門家コラム . 真のグローバル人の育て方 . 親と子のコミュニケーション 2020.10.07