「子どもに、”マナー”をしっかり身に付けてもらうことも、立派な国際力です!」
と聞くと、どんな印象を受けますか?
・堅苦しそう
・国際力に繋がるとは思えない
・それよりも英語力を身に付けさせたい
などなど、様々な印象があるかと思います。
国際力というと、パッとイメージしやすいのは、
・英語力
・コミュニケーション力
・思考力
・自己表現力
・多様性
・・・などかもしれません。
でも実はマナーをしっかり身に付けることも、これからの国際社会で活躍するためには”必須の国際力”なのです。
なぜなら、マナーが身に付いていれば、例え語学が堪能でなくとも「この人と一緒にいたい!ビジネスしたい!」と思われる、世界から愛させる人になれるからです。
今回は立派な国際力の1つでもある、”マナーを身に付ける”ということを、子どもが0歳からでも意識していくことの必要性と、楽しくマナーを身に付けられる2つの方法をお届けします。
目次
マナーや礼儀がなぜ大事なのか。
それは、人は人を判断する時、話の内容よりも”非言語コミュニケーション”である、
・態度、仕草
・表情
・声のトーン
などで判断する割合がとても大きいからです。
これは『メラビアンの法則』により明らかになっています。
メラビアンの法則とは、”話の内容と顔の表情、声のトーンなどに矛盾があった場合、人はどの条件を最も参考にしたか”を計測したもの。
つまり、「非言語コミュニケーションの重要性」を表したもです。
メラビアンの法則によると、人は人を判断する時、その人の
態度や表情などの視覚情報→55%
声のトーンなどの聴覚情報→38%
どんなことを話しているかの話の内容→7%
で判断するということが分かっています。
話の内容が判断されている割合はたったの7%!
つまり、どんなに語学が堪能でも、どんなに論理的な会話ができても、態度や仕草があまりよくない”=相手に不快感を与える振る舞い”を平気でしてしまう人は、自分の話を聞いてもらえないどころか、「この人とは一緒にいたくない!」と敬遠されてしまうということです。
極端な話、「マナーや礼儀よりも、とにかく語学力を身に付けさせることが大事!」と語学力を身に付けさせても、”振る舞い”が伴わなければ、国際的な活躍は難しいということです。
どんなに英語ができても、挨拶をしない、その国でNGとされる態度を平気でとる、人が不快に感じる言動をする人は、世界から愛されません。
どんな人であれ、一緒にいて不快になる人とは、共にいたくないからです。
これからの世界での活躍には、語学力もさることながら、相手も自分も心地よく過ごせる”振る舞い(=マナーや礼儀)”ができることも必要不可欠な力なのです。
”どんな振る舞いができるか”は幼少期からの日々の習慣が大きいもの。一朝一夕では身に付きません。
だからこそ、幼少期から意識して育てていくことが大切なのです。
「乳幼児期(6歳まで)にマナーや礼儀なんて難しそう・・・」と思われるかもしれませんが、国際マナーやプロトコールをやらせなければ!と難しく考えなくても大丈夫です。(もちろん将来的には国際マナーやプロトコールを学ぶことをおすすめします。)
0~6歳までは、
・挨拶ができる
・ありがとうと言える
・身だしなみを整える
などのことをしっかりと意識していけば大丈夫。
ただ、子どもがしっかりと意識して行えるようになるためには、育てる側である親も心掛けておかなくてはいけないことがあります。
それは、『親が見本となって体現する』ことです。
子どもがどんな振る舞いができるようになるか、つまり、マナーや礼儀を習得するためには、
『親が見本となって体現する』
ことがとても大切です。
なぜなら、『子どもは親の背中を見て育つ&子どもは親の鏡』だからです。
親がどんなに、挨拶は自分からしなさい!と言っても、親がしている姿を見ていなければ、子どもはできるようになりません。
親がどんなに、姿勢は正しく!食事中はテーブルに肘をつかない!お行儀が悪い!と言っても、親が肘をつきながら食事をしていれば、子どもはできるようにはなりません。
親が習慣づいていないこと、体現できていないことを”子どもにだけ””口だけで”身に付けさせようとすることは、相当難しいことです。
子どもを観れば親が分かる、育ちが分かるといわれるのはまさに、親の習慣=子どもの習慣になりやすいからなのです。
親が日頃から自ら挨拶をしている姿を見ている子は挨拶ができるようになります。
親が日頃から靴をそろえる姿を見ている子は靴をそろえるようになります。
子どもは親・大人を良く観て、真似をしながら成長していきます。
だからこそまずは、親・大人がしっかりと体現することが、子どものマナー習得のカギとなるのです。
とはいえ、マナーを子どもにしっかり伝えよう!と、絶えず緊張している必要はありません。
「どんな振る舞いができるか=マナーがしっかり身に付いていることが、これからの世界での活躍に必要なんだ!。
じゃあ自分がマナーを完璧に身に付けて、子どもに教えよう!」
・・・なんて思わなくて良いのです。
大人だって分からないこと、できないことがあってもOK。
これを機に、親子で国際力を高めるきっかけにしよう!と子どもと一緒に学ぶつもりでマナーに触れてみてください。
大好きな親と一緒に学んでいけることが、子どもにとってもモチベーションとなりますし、家庭内で共に繰り返していくことで、マナーが習慣づけられていきますよ。
マナーというと、”堅苦しい、お教室に通わないと”というイメージもあるかもしれませんが、家庭内でもご家族で楽しみながら国際力の1つであるマナーを身に付ける方法が2つあります。
1つ目の方法は、下記のような本を共に読んで実践してみることです。これはインプットにもあたります。
☆西出(にしで)ひろこ氏と川道映里(かわみちえり)氏の『10歳までに身に付けたい一生困らない子どものマナー』
☆髙野紀子(たかののりこ)氏の『テーブルマナーの絵本』
☆旺文社の『学校では教えてくれない大切なこと9、ルールとマナー』※このシリーズはおすすめです。
3冊とも大人でも楽しめるものとなっておりますので、ぜひまずは一冊お手に取って、ご家族で楽しんでみてください。
2つ目の方法は、必然的にマナーが必要とされる場所に行くことです。これはアウトプットにあたります。
人はインプットしただけではなく、アウトプットをして初めてその学びが自分の中に定着していきますので、アウトプットの場を設けるのもマナー習得には効果的です。
例えば、友人宅や親戚宅へ行ったりはもちろん、たまには高級レストランやホテルで食事をしたり、滞在するなど、それなりの振る舞い=マナーが求められる場所へ行ってみることをおすすめします。
実際に行ってみることで、子どもや自分の課題も見つけやすくなりますし、どういう振る舞いが自分も相手(時間と場所を共有している方々)も気持ちよく過ごせることに繋がるのかを体感することができます。
つまり、品位を意識すること、備えることにも繋がるのです。
また、どんなに家庭内ではできていても、いざ外に出て実践しようとすると、緊張して思うように振る舞えなかったり、これで良いのかと不安になったりすることがあります。
”慣れ”という意味でも、たまにはレストランやホテルなどでアウトプットしてみることをおすすめします。
これからの世界で活躍、グローバル、国際社会・・・と聞くと、英語力こそまずは高めよう!と思うかもしれません。
が、前述した『メラビアンの法則』からも分かる通り、非言語コミュニケーションであるマナーをしっかり身に付けることも、大事な国際力の1つなのです。
ただし、”マナーとは作法を完璧に身に付けること”ではありません。
例えば、自分が食事のマナーを完璧に身に付けても、相手ができていない部分を非難したり笑ったりでは、世界で活躍できるマナーを併せ持った人とは言えません。
マナーとは、相手を不快にさせない、相手に恥をかかせない、いかに気分よく時間を共にしてもらえるか、などの品位(=簡単にいうと思いやり)があってはじめて、「マナーが身に付いている」と言えるのです。
マナーとは『思いやり』なのです。
そんな思いやりからくるマナーは、繰り返しになりますが、一朝一夕では身に付かないもの。
”まだ小さいから・・・”ではなく、小さいからこそ習慣となるように、ぜひご家族でインプットとアウトプットをしながら、楽しんで作法と品位という思いやりも兼ね備えた、本物の『マナー』を身に付けていってくださいね!
子ども&貴方の可能性は無限大!