1/31に放映されたNHKスペシャル『ママたちが非常事態!?』。
多くの方に、科学の観点から子育てを知ってもらいたいという思いを込めた紹介記事。
2回目の今日は、”『魔のイヤイヤ期』はなぜ起こるのか?”
”子どもが生まれたのにしっかりした親になれないのは母親失格なのか?”
という点を科学の面から検証します!
※前回の記事はこちら(→「ママたちが非常事態!?vol.1」)
目次
ママたちを困らせるイヤイヤ期。
『魔の2歳児』ともよばれ、この時期は何を促してもイヤイヤとぐずる、いうことを聞いてくれない…など、親もぐったり。
そんなイヤイヤ期がおきるのは、「脳の前頭前野がまだ発達しておらず、本能である欲求を抑えられることが出来ないから」なのだそう。
人間は本能的な欲求を前頭前野の発達によって抑えているのですね。
しかし、まだまだその発達が未熟な時期=発達段階の時には欲求を抑えられないためイヤイヤ期というものがおこるのです。
この前頭前野が発達することでイヤイヤ期を終えていくのですが、実はこの部分、完全に発達を終えるのは思春期までかかるそうなのです!
なぜこんなにゆっくり発達するのかというと…
『人間はゆっくりと脳を発達させることで、どんな環境にも対応できるようにしている』
ということなのだそう。
なるほど~!感慨深いですね。
”赤ちゃんが生まれたのに何もかも上手くいかない・・・”
”子どもが可愛く思えない・・・”
”私って母親失格?”
今、日本ではこんな風に思うママが増えているのだそうです。
しかし!このように思うのはある意味当然のことと言えるのです。
なぜなら、現在の日本では『母親になる準備の機会になかなか恵まれずにいる』からです。
実は、人間は実際に母親になる前に子どもの世話をすることで母性が磨かれ、母親になる準備が出来るのだそうです。
昔は下の子の面倒を見る機会もたくさんありました。
しかし、現在では子どもの面倒を見るという機会がなかなかなく、いきなり母親になってしまうことが多いのです。
そのため、戸惑うことが多くなってしまうのですね。
子どもが生まれたからといって、いきなり母親にはなれるわけではないのです。
子どもと一緒に、ママも少しずつ成長していくのですね。
さて、最後はなぜ出産後にイライラしてしまうことが多いのか?
ということです。
実はこれも、「オキシトシン」というホルモンの影響なのだそうです。
特に出産後や授乳中のママたちは、赤ちゃんと触れ合うことで愛情を深めると共に、赤ちゃんを守ろうとする働きも強くなります。
そのため、部外者は敵!という認識がつきやすくなり、攻撃的になってしまうのです。
このことが夫に対してもイライラして攻撃的になってしまう原因。
旦那さんが不在がちだったり、話を聞いてくれなかったりなどということがあると、旦那さんのことも”敵だ”と認識してしまい、イライラの攻撃対象に。
旦那さんが奥さんの目をみて、しっかりと向き合って話をすることで、奥さんはリラックスして安心することがわかっています。
お互いが気持ちよく過ごすためにも、しっかりと向き合って会話をする機会を増やしてみて下さいね。
いかがでしたか?
”子どもがなぜこのような行動をとるのか?”ということが科学的に検証されると、”自分だけではないのだ”と安心して子育てに励むことが出来るかと思います。
日本は子育てがしにくい国だともいわれていますが、これをきっかけに、もっと子育てに寛容な、みんなで子育てをする、子育てしやすい国になればいいなと思います。
せかいくでも、”親になったからこそ人生が楽しい!”と思ってくれるよう、様々なサポートをしていきたいと思っています。
気になることがありましたら、お気軽にご相談下さいね。
Category 専門家コラム . 発達 . 親と子のコミュニケーション 2016.02.05