先日、お悩み相談で「利き手」についてのご相談を受けました。(→「お悩み相談!うちの子って左利き?右利きにしたいのだけど・・・」)
そこで、ふとした疑問・・・
”日本人は右利きが多いけど、海外では左利きが多いって本当?”
”動物にも利き手があるって本当?”
これ、どこかで聞いたことがありますよね。
今日はそんな利き手の謎に迫ります。
目次
外国人は左利きが多いと聞きますが、それは、幼少期に左利きでも、”日本ほど矯正されてこなかったために、そのまま左利きで大きくなった”という人が日本人よりも多いため、そのように感じるのです。
世界的にも見ても、『右利きの人は全体の約90%を占め、左利きは約10人に1人の割合』となっています。
人間以外の動物にも右利き、左利きは見られるます。
しかし、動物の場合は左利きと右利きの割合はほぼ同数なのです!
考古学のデータでは、少なくとも5000年前(縄文時代)に地球上にいた人間の9割は右利きだったとも推測されています。
しかし時代を遡っていくと、200~250万年前の原人類では、右利きは59%。
と、いうことは、人類が誕生するまで、いえ、誕生してからも、しばらくの間は”利き手というものはなかった”と推測することができるのです。
人類が右利きになった理由は諸説ありますが、脳内で左右対称に分けられている言語プロセスに関係しているのではないかという説があります。
また、手と脳の関係から、人間の道具の発達の歴史と脳の発達の関係が、右利きが増えたことにつながってきたという仮説もあります。
ほとんどの人は左脳に言語機能が集中しています。
例えば、言葉は右脳に障害があっても話せますが、左脳に障害があると話せなくなります。
右半身マヒの人に失語症が多いのもそういう理由によります。つまり、左脳は言語コミュニケーションに結びついているのです。
このことから、「人類は言葉の発達に伴い左脳が刺激・強化されていき、それにより右半身の運動能力が発達した」。
つまり、右利きの比率が高まっていったということがいえます。
人類は1万年前ごろから、”大きな石から均質の石器を大量に作る”などの高度な技術を生み出しました。
これらのことから、最初は左右両方の手を使って作業をしていたが、道具の発達と共に作業が複雑化し、頭の中でいろいろ考えなくてはならなくなりました。
それが、言語活動を担当している左脳を刺激すると共に言葉の発達を促し、さらに右利きの比率を高めていった、と考えられているのです。
まとめ
いかがでしたか?
右利きは世界的に見ても多く、さらには人類の発達とともに生まれてきた歴史のあるものだったなんてなんとも興味深いですね。
言ってみれば、あらゆる面において右利きの優位性は、人間の言語能力などの副作用と言えるのかもしれませんね(*^-^*)