今回は本人ではなく、兄弟・姉妹にも焦点を当て、海外の事例もご紹介します。
性同一性障害を持つ子がいたら、もちろん最初は両親も戸惑うことでしょう。
そして、どうしてもその子本人に気が向いてしまいがち。
けれど、年の近い兄弟・姉妹もとまどい、葛藤しているのです。
海外にこんな事例があります。
男の子の体に女の子の脳を持って生まれてきた弟、Danann。
両親が少しずつその事実を認め、その子に女の子の服を着せ始めたとき・・・
『「長男の学校生活にも支障をきたしていました。私がDanannを女装させる度に長男は怒り出し、噛み付いたり殴ってきたり・・・。とても疲れました。」
ある時パーティに参加する事が有った時、Danann君にドレスを着せる事を拒んだ事があった。
「途中で車から飛び降り、道の真ん中で「死にたい!」って叫んだ事も・・・」』
これは、このご家族が語ってくれた話の一部を抜粋したものです。
心と体の性が一致しない本人も、苦しい思いはしてきたかと思いますが、その兄弟だって、同じように悩んでいます。
特に、子どもは時に残酷で正直なもの。
周囲の子はこの事実をからかってしまうこともあるでしょう。
そうなると、兄弟・姉妹も辛い思いをすることがあります。
両親と本人のみで話し合うのではなく、他の兄弟たちのことも視野にいれ、”最初から家族みんなで話し合うことが大切”だと思います。
海外にももちろん、「自分の子は性同一性障害ではないか?」と疑問に思い、それを受け入れて過ごしている家族がいます。
最初の2つの事例は、”ありのままの自分が認められる”と、こんなにも輝くのだということを教えてくれる事例です。
また、最後は最後まで理解を得られなかった方の悲しい話です。
この事例を取り上げるかどうか迷いましたが、ぜひ、知ってほしいと思い、のせることにしました。
性同一性障害ということだけではなく、”人から認められること”がいかに人間にとって大切かを教えてくれます。
今回はそれらの事例を3つほど紹介し、4回に渡ったこのテーマを終えたいと思います。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
事例2:「2014年世界で最も影響力のある十代の若者25人」の1人に選ばれた、14歳、ジャズちゃんの事例
事例3:「トランスジェンダーでも、人権を尊重され生活できますように。」