今日は昨日の続き。子どもの絵から、その子の発達を読み解くための目安をお伝えしたいと思います。
今日は3歳~6歳編です!
目次
少し聞きなれない言葉が出てきました。
知的リアリズムとは、「自分が知っているように、概念的に、図式的に描く」ということです。
目に見えるように描くのではなく、自分で理解しているように描くことともいえます。
また、知っている真実を描くことや、土の中に埋まっているさつまいも(実際には見えない)などを”こういうふうにあるよ”と、見えるように描くことなどが特徴です。
この時期は、描くなどの表現力が飛躍的につくというよりは、表現力が横に太くなっていく、奥行きが深くなる時期でもあります。
さらに、象徴的な形から”頭足人”のような人や車や家が描かれるようになります。
色はこどもの好みの色になることもありますが、4歳ぐらいから対象物と一致し始めます。
このころになると基底線(空が現れ、画面上に空間の設置ができるなど)と呼ばれるものが出てきて、人と物、人と人の関係が絵を見ただけである程度分かるようになります。
人形・太陽・花・木・家などを記号(図式)的に描くこともできるようになり、しだいに動作表情が現れ、形も複雑化していきます。
6才前後になると、文字に興味を持ち、読んだり、書いたりするようになってきます。
この時期になると、絵にも男女の違いが現れ、女の子は、人がいて家庭的な平和な内容が多くなったり、男の子は、観察的な絵の内容、つまり、昆虫やザリガニなどの科学的な絵が好きになる傾向があります。
今回のテーマの一つでもありますが、絵は心や心身の発達と深い関係があると言われています。
具体的には・・・
・認知機能の発達・・子どもの世界観の広さが絵の内容に深い影響を及ぼす
・運動機能の発達・・手指の巧緻性、手指の発達と深いかかわりがある
・感性や感情の発達・・事物に対する感性、喜怒哀楽といった感情や情緒の発達が絵の内容を深めたり、豊かにしたりする
・生活体験の充実や世界観の拡大が絵の発達や内容を深める上で大きく影響する
ということです。
※「子どもの絵の発達段階」を作成した、東山教授の研究を参照
いかがでしたか?
年齢などは、あくまでも目安ではありますが、子どもの絵には手先の動き・発達、子どもの考え方やイメージなど、様々な情報が隠れています。
また、”子どもの絵の表現の発達の道筋は、世界中のどの子どもも少なくとも幼児の段階では同じ発達の道筋をたどる”とも言われています。
もちろん、生活環境や興味関心によっても違ってはきますが、絵という目に見える形で心身の発達を把握できると安心する場合もありますよね。
ぜひ、時間があるときにじっくり観察しながら、子どもの発達を読み取ってみてくださいね。
「なぜ、こんな風に描いたんだろう?」と疑問に思ったら、子どもに質問してみてください。
思ってもいない答えが返ってくるなど、楽しみながら親子のコミュニケーションをとることができますよ(*^_^*)