さて、昨日は気になる、子どもの薄い髪の毛についての記事を書きました。
ほとんどの場合は、髪が生え変わる3~4歳前後までは様子を見て大丈夫とお伝えしましたが、それでもどうしても生えてこない・・・
という場合は、乏毛症(ぼうもうしょう)や無毛症(むもうしょう)を疑ってみましょう。
今日は、乏毛症・無毛症についてお話していきたいと思います。
目次
その名の通り、生まれつき毛がまったく生えないか、あるいは少ない病気です。
先天性のものが多いのですが、生まれた時は普通の人と同じように頭の毛があるのに、生後1~2年で抜け落ちて生えてこない場合もあります。
症状としては、頭部全体に毛がない全頭無毛症(ぜんとうむもうしょう)と、頭部の一部分に毛がない限局性無毛症(げんきょくせいむもうしょう)があります。
毛の発生・成長に必要な遺伝子に変異があり、無毛あるいは乏毛になっていることがわかっています。
最近次々に、どの遺伝子にどのような異常があるのかわかってきています。
限局性無毛症になる原因としては、脂腺母斑(しせんぼはん)、先天性皮膚形成不全症(せんてんせいひふけいせいふぜんしょう)などという少し難しい疾患があげられます。
では、これらの疾患の症状とはどんなものなのでしょうか?
先天性無毛症では精神発育遅滞(せいしんはついくちたい)を伴う場合があるようです。
また、疾患の種類によっては、無毛あるいは乏毛とともに汗腺、爪、歯牙(しが)、皮膚などにもさまざまな異常が現れます。
脂腺母班では、出生時にははっきりと毛のない部分が見られます。
←思春期になるとその部位が黄色くなり、表面はでこぼこに隆起してきます。
先天性皮膚形成不全症は、頭頂部に多く発生します。大きさは1〜3cmくらいで、出生時にはまだ皮膚が潰瘍のままのこともあるようです。
生まれつき頭の毛が極端に少ない場合や、出生時にはあった毛が抜け落ちてから生えてこない場合、また、3~4歳を過ぎても生えてこない・・・などが見られた時には、皮膚科専門医の診察を受けることが大切です。
無毛や乏毛が遺伝性疾患の発見の手がかりになることもあるからです。
無毛や乏毛にもいろいろな原因がありますので、皮膚科専門医の診察を受けることが、治療への第一歩になります。
現時点では、 先天的無毛症に対する治療法はありませんが、脂腺母斑や先天性皮膚形成不全症が原因の限局性無毛症では、手術で病変部の皮膚を切除することで、無毛部位はなくなる可能性があります。
ただの薄毛・・・と思わず、気になったら早めに皮膚科を受診し、疾患を発見できるようにしましょう!