さて、もうすぐ「父の日」がやってきます。日ごろ、頑張っているお父さんに感謝の気持ちを伝える日ですね。
皆さんは「父」という言葉にどのようなイメージがありますか?『父=仕事』のイメージの方が強いのではないでしょうか?
今日はそんなイメージを打ち砕く!?フィンランドの育児についてご紹介したいと思います。
目次
子育てに手厚い制度があると日本でも注目され、有名になってきたフィンランド。
赤ちゃんが産まれたら政府から届く、「マタニティパッケージ」や、切れ目のない家庭支援、「ネウボラ」など、日本にとって参考になるべきものがたくさんありますよね。
←マタニティパッケージ
そんなフィンランド、実は『もっとも男女が平等に近い国』ランキングでは世界136カ国中堂々の2位を獲得。(ちなみに日本は101位でした。)
『生きることは働くこと』というライフスタイルを持っているのがフィンランド人なのです。
さて、そんなフィンランドでも、母親が育児と家事をこなすのかというと・・・そうではありません。
父親も積極的に育児や家事に参加しているのです!それも強制ではなく、楽しみながら。そもそもフィンランドには「イクメン」という言葉はありません。なぜなら、父親が育児に参加するのはごく普通のことだからです。
ではなぜ、父親が育児に参加することが出来るのかというと・・・男女平等に対する意識差が大きいようです。
これは政府の制度にも言えること。たとえば、現在、日本でも安倍内閣が少子化対策として打ち出している「育休3年」。
しかし、「3年も休んで職場復帰できるのか」という不安や疑問の声が上がっています。正直な私の意見としては・・・「無理」としかいいようがないです。なにせ、「マタハラ=マタニティーハラスメント」が横行しているのですから。
しかし、フィンランドでは、1985年の労働契約法により、母親は子供が3歳になるまで産前の職が保証されているほか、給料の7割程度が支払われる両親休暇や父親休暇など、父親も積極的に育児休暇が取りやすい制度が用意されているのです。
そのため、最近では妻のほうが早く仕事に復帰し、夫が長く育休をとるケースもよくあるそうです。父親に対するサポートの手厚さが、積極的に育児に参加するかどうかのカギになってくるわけですね。
ではここで、「フィンランド流イクメンMIKKOの世界一しあわせな子育て」(かまくら春秋社)を出版したミッコ・コイヴマーさんによる、「なぜ父親が育児に積極的に参加するのか」という考察を引用してご紹介します。
1. 父親は子どもと一緒にいたいと思っているから。今日のフィンランド社会はその考えを受け入れ、奨励さえしている。
2. 国からの子育てに関する各種の手当を法律で保証された短い労働時間が、父親の育児を経済的および実質的に可能なものにしているから。
3. フィンランド人男性は男女は平等であると考えており、子育ての権利や責任についても公平に分かち合うべきだと考えているため。
なるほど。とても素敵な考え方ですね。実はフィンランドには「共同親権」という考え方が一般的であり、例え親が離婚しても子どもを産んだ2人が、責任を持って育てるのだそうです。
そして、たとえどちらかが再婚したとしても、その再婚相手のことを「パパ」「ママ」と呼ぶ必要はないのだとか。
離婚をするとどちらかの親が親権をもつことになる日本とは大違い。ここでも、「子育ての権利や責任についての公平さ」がでているのですね。
なんだか上手くまとまらなくなってしまいましたが、フィンランドから学ぶことはたくさんあるように感じました。特に最近では日本でも父親が育児に積極的に関わろうとしている姿が見られるようになり、嬉しいかぎりです。
けれど、それをバックアップするための制度はまだ整っていないのが現状。日本でも、堂々と男性が育児休暇をとれる時代が早くくるように、せかいくでも力を尽くしたいと思います。
そして父の日のプレゼントの絵には、「エプロン姿のお父さん」が描かれているといいですね(*^_^*)
Category 世界の文化 . 専門家コラム . 親と子のコミュニケーション 2015.06.09