最近の子どもたちを見ていると、雑巾が上手く絞れない子が目立ちます。 雑巾だけではなく、年長になってもお当番で使うテーブル拭きのタオルも絞れない子が多く、手先の動きや力の入れ方がわからないのでは?と少し気になるところです。 そんな中、”絞る”という動作ができないと、引き起こされるかもしれないロコモティブシンドローム(以下ロコモ)というというものを、今回ご紹介したいと思います。
そもそもロコモティブシンドロームとは、膝が痛くて15分以上歩けない、手すりを使わないと階段が上がれないなど、高齢者に多くみられるものです。 筋肉、骨、関節、軟骨などに障害が起き、歩行や日常生活が困難になることで、要介護になる危険性が高い状態の総称をこのように呼びます。
「な~んだ、じゃあ子どもには関係ないじゃない」
と思うかもしれませんがちょっと待って! 実は最近、小学生にロコモ予備軍が増えているのです。わかりやすいチェック法を見つけましたので、日常生活をチェックしてみましょう!
☆お家の中を想像してくみましょう、どちらを使っていますか?☆
いかがでしたか?
最近は左側の生活(=昔)ではなく、右側(=現代)の生活を送る子どもたちが増えているのではないでしょうか?
確かに、現代は少しの力しか必要としないので「楽」です。
しかし、昔の生活は使う時に、回す・ひねる・握る力や、体の柔軟性・バランスを多く必要とします。 小さな日常動作を何年も繰り返すことで、知らないうちに筋肉や柔軟性が養われているのです。
それに比べ、便利で機能的になった現代では、握力や関節の柔軟性が低下し、雑巾が絞れない、しゃがむと膝や足首が痛むなど、簡単な日常動作が出来なくなってきている子どもが増え、ロコモ予備軍のベースになっているのです。
これは、子どもの運動器に詳しい整形外科教授も同じように警鐘を鳴らしています。
いかがでしたか?
“使わなければ衰える”のが人間の体です。
楽な方なばかりをやらせると、子どもが30歳、40歳になった時には、予備軍では済まなくなっているかもしれません。
基本の日常動作がきちんとできる、筋力・柔軟性・バランスを育てることが大切です。
そのためには、乳幼児期から多様性のある遊びや運動をたくさんさせることです。
これらがロコモになるリスクを下げ、運動能力を伸ばしていくことにも繋がるのです。
また、関節周りをほぐしたり、筋肉を伸ばすストレッチも効果があるので、毎日の習慣に取り入れて、成長期の子どもの体の、ロコモリスク軽減やバランス向上に役立てたいですね。
もちろん、”子どもにやらせる”のではなく、大人も一緒に、見本をみせたり、楽しんでいる姿をみせたりしてくださいね。
まずは、タオルや雑巾を”絞る”ということを教え、ロコモ予備軍にならないようにしましょう!