一昨日、かつて前例のない裁判の判決がでました。それは、『親の責任はどこまでか』を問うものでした。
事件の全容はこう。
当時小学校6年生の子が学校の校庭でサッカーをしていました。ゴールを決めようと蹴ったボールが門から外に出てしまい、それを避けようとしたバイクの80代の男性が転倒・骨折をし、そのまま寝たきりになり、その後死亡してしまったという事件。
11年法廷で争い、1審、2審では「親の責任」とされていたものが、最高裁で覆りました。
簡潔に言うと、「両親は子どもに常識的で一般的なしつけ・教育をしてきた。今回のケースにおいては親の責任とは言えない」
というのが最高裁の判断でした。
これまでは、親がいないところで小学生以下の子どもが起こした事件はすべて親の責任とされてきました。(本人に賠償金を払う能力がないため、親が代わりに支払うという考えのもと)
それが、今回初めて「親の責任を問わない」という判決が下ったのです。
ニュースでも言っていましたが、これにより、今後の親の責任のあり方が変わってくると思います。
ただ、ここで勘違いしないで欲しいことは、今回のケースでは“「両親は常識的・一般的なしつけや教育を子どもに施してきた」と最高裁が判断するだけのしつけ”がこの家庭にはあったということです。何でも許されるわけではありません。
最近は子どもがルールに反することをしていても、しっかりと叱れない親の姿を目にします。
いけないことをした時には、毅然とした態度で子どもと向き合うことが大切です。
そのことが、“親はきちんと自分のことを見ている”という子どもの安心感にも繋がります。
“もし自分の子が加害者になってしまったら…?”
重いテーマですが、考えさせられる判決でした。