小学校入学前に必ず受ける「就学児検診」。
そこで、割合として1番言われることが多いのが『言葉の問題』です。
特に幼児音が抜けずにいる子はほぼ、”言葉の項目”に引っかかってしまいます。
だからといって、就学に問題が発生するわけではありませんが、”ことばの教室”(様々な呼び名があります)に通うことを勧められることがあります。
今日は言葉の1つである「子どものどもりついて気になる!」というお悩み相談を受けましたので、一緒に考えていきたいと思います。
目次
どもりとは吃音(きつおん)とも呼び、言葉が出ない、最初の第一声を繰り返し発音する、語頭が伸びるといった症状を指します。
(例:「じゅ、じゅ、じゅーす飲みたい!」など)
吃音には2種類あり、幼児期の言葉を発し始めた頃から吃音である先天性のタイプと、事故や病気で発症する後天性のタイプがあります。
言葉を覚えたばかりの小さな子の場合、焦ったり、どのように話して良いのかわからない場合にどもってしまうことはよくあること。
話したい気持ちや伝えたいことに口がついていかずにどもってしまうというパターンです。
特に、2~3(時には5歳くらいまで)歳くらいの幼児は一時的にどもりが見られることがあります。
これは、『一次性吃音』と言い、全体の約10%~30%に現れると言われています。
意外と多いですよね!
また、幼児のどもりは特に発語が早かった子どもに多く見られるのが特徴です。
この時期とくゆうともいえる一次性吃音は、9割くらいが成長と共に次第に目立たなくなっていきます。
ですので、幼児期にどもりがでたからといって、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ!
一過性のものとはいえ、どもりがあると気になるもの。
子どもにどもりが現れた時には、どのように対処するのが良いのでしょうか?
これはかえって逆効果です。
子どもがどもっていても、何を言っているのか分からなくても、まずは最後まで子どもの話を聞いてあげましょう。
その上で、大人が自然に正しい話し方や言葉使いで返してあげることで、子どもは次第に正しい言葉を習得していきます。
「こういうこと?」と大人が途中で遮って話し出してしまうと、子どもは自分が話す必要性がないと感じ、自分から言葉を発しなくなります。
すると、どのように話したら良いのかわからず、結果としてどもりをひどくしてしまう・いつまでも治らないという可能性があります。
大らかな心でじっくり話を聞いてあげて下さいね。
時にはどもらずに言いたいことを言える場合もありますよね。
その場合にも、「どもらず言えたね」、「上手にしゃべれたね」などと言わないように気を付けましょう。
なぜなら、”いつものしゃべり方は悪かったのだろうか”と子どもながらに混乱してしまうからです。
幼児期の子どもの一時的などもりは『無意識』に起こっています。
大人が気づかせてしまうと、子どもなりにずっと意識してしまい、かえって話せなくなったり、ひどくなったりすることも。
たとえ子どものどもりが見られても、”なんでもない”というように接しましょう。
また、どもりは医学的には強迫観念の1種であるとも言われています。
”小学生になっても改善されない、小学生になってどもりが出てきた”という場合には、精神的なストレスなども関係している場合がありますので、専門家に(小児精神科もしくは心療内科、またはことばの教室)相談してみて下さいね。