今、児童精神科医の佐々木正美氏著:「子どもへのまなざし」という本を読んでいます。
子育てをするのにとても大切なことがたくさん記載されているのですが、特に印象に残っているフレーズがありますので、読破を前にご紹介させていただきます。
目次
私は乳幼児期は人生の土台であり、木に例えると、根っこの時期だと考えてきました。
しかし、佐々木氏は「乳幼児期は基礎工事の時期」だと言っています。
『その後の時期を例えていいますと、小学校・中学校・高校・大学・大学院・留学というのは後から作っていく建築の部分です。
そういう意味から申しますと、小学校や中学校ぐらいが柱や床かもしれませんし、高校ぐらいになりますと外装の工事とか屋根の瓦など、
そんなものかもしれない。大学や大学院、留学なんていうのは内装工事kあもしれませんし、あるいはカーペットや家具かもしれない。
まあ、こんな風に思っていただくといいのです。
そうすると、みなさん、あとからやるものほど、やり直しがきくということが、おわかりになるでしょう。』
※「子どもへのまなざし」より抜粋
なるほど、これを読んだときに、確かに人間というのは建物に例えるのが一番いいのかもしれないと感じました。
基礎工事は、残念ながら建物が建った時には何も見えなくなってしまいます。
けれど、他のものはいつだって取り替えがききます。
本当に佐々木氏の言う通り、あとからやることほど、やり直しがきくのです。
建物なら一回すべてを壊してもう一度建て直すこともできるでしょう。
けれど、人間はそうはいきません。
人格を作るための乳幼児期の基礎工事をおろそかにして、留学などのみごとなタイルを家の周りに張り付けたところで、ひとたび台風や地震があれば、すぐに修復不可能の状態になってしまうのです。
外壁や家具はいつだって取り替えられるのと同じように、高校や大学にはいくつだって、いつだって入り直すことが出来ます。
しかし、「あの時ちょっと不十分だったから、幼稚園・保育園に生徒として入りなおそう」ということはできません。
家に帰って、乳幼児の時の体験をやり直すということも、容易には出来ないのです。
本当にその通りですよね。
このことを考えてみると、いかにこの時期が人間にとって大切かが分かります。
佐々木氏はこれを五重塔でも例えてくれています。
法隆寺の五重塔は、建設から40回以上の大地震に見舞われていても、しっかりと建っています。
それは、基礎工事がとてもしっかりしているからなのだそうです。
だからこそ、人間の基礎を作る基礎工事時代=乳幼児期はとても大事な時期なのですね。
子育て中のみなさん、保育者の皆さんにはこのことをくれぐれも忘れず、また、そのような重要な時期に関われる誇りをもって、子どもに接していってほしいと思います。
上手くまとまりませんでしたが、とても勉強になる本ですので、また読破をしたら、ご紹介したいと思います。