その日に読んだ本も観た映画も、偶然私が「そうそう!そうだよねー!!」と共感するもので、これはぜひすべての大人に読んで&観てもらいたい!
と思ったので、今日はそのお話しを(笑)。
目次
私がすべてのママ、プレママ、女性(もちろん男性にも)に読んでほしい本とは、
ヤマザキ マリ氏の著書:『とらわれない生き方 母として~「いいお母さん」プレッシャーのかわし方~』
です。
ヤマザキ マリ氏は漫画、『テルマエ・ロマエ』を描いた著名な漫画家さん。
そして彼女は日本のみならず、イタリア、シリア、ポルトガル、エジプト、シカゴなど様々な国に住んだ経験があるまさにグローバルな方!
それもこれらの国に住んでいたのは息子さんやだんなさんもご一緒。
つまり、子育てに関しても世界の教育事情を肌で知っている方なのです!
そんなヤマザキ氏から見て日本の子育てや親達が持つ悩みはどう映るのか。
また、自身は何を大切に子育てをしてきたのか。
ヤマザキ氏なりの見解や自身の子育て経験についてギュッと濃縮された一冊となっています。
グローバルや国際社会で活躍出来る人材育成教育を研究、提供している私としては、もう、どこをピックアップしたら良いのか分からないほど、すべてに共感&そうそう、それが言いたいのよー!というもののオンパレード。
グローバルや国際社会での活躍はあまり考えていないかな、という方にとっても、ヤマザキ氏の教育観や子育て観はすごく参考になりますので、ぜひ一冊読んでいただきたいところです。
どこをピックアップすれば良いのか・・・と悩みますが、特にここはご紹介したい!というところをあえて選ぶとすれば・・・
『世間様に恥ずかしくない、が日本のスタンダード!?』
という部分です。
「日本に帰るたびに感じるのは、日本はどうしても長いものに巻かれるんだなってことです。
<中略>
「みなさん、とりあえずやっておきなさい」というマニュアル的なものを優先させているように見えますね。
自分の子の成長にとっていいかどうかより、傍から見て恥ずかしくない教育を受けさせることが、非常に大事になっているようです。
<中略>
日本では「世間ではこれがいいとされていますから」と、子どもを”社会”に育ててもらおうとしていますよね。
子どもの人格が、社会の規格によって決められていくかのようです。」
とヤマザキ氏はいいます。
確かに社会性を意識することは必要だけれど、こと子育てにおいては子どもをとにかく成長させなきゃ、守らなくちゃ、だけを考えて、周りと比べて大丈夫かどうかは考える必要がないのでは、とも。
確かに、日本の親達は周り=世間を意識しすぎていると私も感じています。
それは親になる以前から、「村八分」の意識がまだまだ私たちの中に染み付いてしまっているからです。
だから子育てにおいても、”世間”を意識しすぎて追い込まれてしまうということが出来てくるのです。
・いいお母さんでいなくちゃ
・失敗したらどうしよう
・子どものために頑張らなくちゃ
・○○ちゃんのお母さんが言っていたから、テレビで言っていたからやらなくちゃ
などという意識ですね。
これに対してヤマザキ氏の見解は、
「自分で考えて判断するのはパワーがいるし、面倒くさい。
「○○ちゃんのお母さんがいいっていうならそうしよう」という気持ちは完全にブランド志向と同じです。
自分で考えるより、マニュアル化された雛形にとりあえず沿っておけば安全だという考え方です。
<中略>
子育てにおいてもパターン化が起きています。
ほかのお母さんもそうしてるから、と習い事にいかせたりするのもそうです。
子育てのパターン化の背景には、自分で判断したことや、発想を否定されることへの恐ろしさがどうもあるような気がします。
社会に対する怯え、孤独や阻害させることに対する恐怖というものが、日本にはあるようです。
<中略>
数少ないパターン化された生き方が日本の社会にはあって、その世間体という細い道のいずれかを通らなくてはいけないようになっている。
世間体という見えない存在が、宗教や国の法律と同じくらいおっかない拘束力を持っている。
世間体という戒律ですね。
それがあるから、いいお母さんプレッシャーから逃れられなかったり、失敗を認められなかったりするのです。
時には愛情よりも優先されてしまう世間体のタガは本当に厄介だと思います。」
とのこと。
子どもの評価=自分の評価になってしまいがちなのも、そのような日本独特の意識、教育のパターン化も影響しているのです。
では、どうしたら世間体に追い込まれなくなるのか。
それは、
『親(大人)が勇気と自己肯定感を持つこと』
が必要です。
これは先日観てきた映画、『プーと大人になった僕』でも表現されていました。
※以下ネタバレになりますのでご注意を!
クリストファー・ロビンは親に寄宿学校に入れられるのですが、本心では行きたくなかった。
けれど、それが良い仕事に就くためには必要だと信じ込まされていきました。
そして娘にも良い仕事に就くためには寄宿学校に入ってたくさん勉強することが必要だと言いますが、
寄宿学校には行きたくない娘とギクシャクしてしまいます。
世間体としては「良い学校(ここでは寄宿学校)に入ってたくさん勉強して良い仕事に就く」ということは良いこと(認められること)かもしれません。
それが幸せになる道(パターン)だと親が信じていれば、「子どものために」と信じて実行してしまうこともあるでしょう。たとえ子どもの気持ちがどうであれ。
貴方にもそのような想いや経験はないでしょうか?
けれど、それで親も子どもも果たして幸せになれるでしょうか。
クリストファー・ロビンと娘はなれませんでした。
そしてクリストファー・ロビンはプーたちと再会することで、
・自分にとって一番大切なもの、幸せは何か
・世間体ばかり気にしていた自分、パターン化された幸せ(いい学校に入っていい仕事に就いて、やりたくなくてもそれを頑張るのが幸せ)ばかりを気にしていた自分に気付き、それを絶つ勇気
・世間に沿った行動をしなくても、自分はすばらしい存在なのだ
という気付きを得ました。
結果的に、
クリストファー・ロビンが勇気と自己肯定感を持ったことで、家族関係も仕事も上手くいったのです。
「親はちゃんと子どもを見てなくてはいけない。その子がどんなことに幸せを感じるのかを。」
とヤマザキ氏は言います。
世間に沿った行動や教育をすれば、世界で活躍出来る子に育つわけではありません。
親自身が、面倒くさがらずにしっかり考えること、子どもを見ること、がこれからの子育てにはますます必要になってきます。
海外へ行けば自然に国際感覚を身に付けられるわけではありません。
子どもが国際感覚を身に付けるためには、自分の子どもがどんなことに幸せを感じるのかをしっかり見極めて、子どもが幸せになるためであれは世間からなんといわれようとも構わない!
という勇気と貴方自身の自己肯定感を高めることが必要不可欠。
そのためにも、子どもと共に多様な経験をたくさんしてみてください。
やはり旅はオススメ。
「こんな考え方、生き方をしている人、国があるんだ」
ということをリアルに体感できることは、日本社会にとらわれがちだった意識を解放し、価値観を柔らかく出来る絶好の機会。
もちろん子どもにとっても多様性を学ぶ機会になりますので、国際感覚も身に付きやすくなります。
世間にNO!ということはなかなか難しいかもしれませんが、いきなりでなくても大丈夫。
少しづつで大丈夫ですので、自分のココロとお子さんに向き合って、
「世間や社会の常識に沿ったものではなく、自分と子ども、家族にとって一番幸せな状態は何か?」
を考えてみてくださいね!
子ども&貴方の可能性は無限大!
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