「親子」は必ず良い関係が自然に築けるのか。

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貴方は親子関係はどのように出来上がるものだと考えていますか?

・親子だったら何でも分かり合える。

・親子だったら特別なことをしなくても良い親子関係が築ける。

このように、『親子=すばらしい関係が自然に築ける』と考えているでしょうか。

もしそのように考えているのならちょっと待って。

親子であれば必ず良い関係が築ける、ということはないのです。

親子関係を良好にするには、意外にも「努力」が必要なのです。

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親子関係の不和はどこでも起こりうる。

私は私。母は母。

これはフェミニストカウンセラーの加藤伊都子氏の著書。

この中でも、親子関係を築くには努力が必要だと述べています。

この本では母親と娘の関係に焦点を置いていますが、父と息子、父と娘、母と息子などの関係においても努力は必要です。

なぜ、努力をしなくてはいけないのか。

それは

『家族・親子=仲良し・心地よいもの(でなければならない)』

という社会全体の考えが親子関係構築に

・甘えを生み出す

・それに隠れて自分の行動が子どもにどのような影響を与えるか考えない、気付かないことに繋がる

・子ども自身、家族は仲良しでないといけないという観念に縛られ、苦しんでしまうことに繋がる

からです。

親子関係の構築というと、虐待などの明らかな問題がある場合にのみ考えられることだと思うかもしれません。

しかし、虐待などの明らかな問題がない場合、いわゆる「普通の家庭」「愛情を持って育ててきた家庭」においても親子関係の不和は多く起こっていることなのです。

事実、私の家族もそうです。

両親は愛情をたくさん持って育ててくれたし、今もそうです。

特に大きな問題があるわけではありません。

ただ、うちの両親はとても心配性で過保護。

私のことを想ってくれているのは分かっているし、悪気もなにもないことは分かっているけれど、

・それが結果的に私の意見を否定することに繋がってしまうこと

・家族にばかり手間をかけて両親の人生を犠牲にしているように見えること

私の中でずっと負担でした。

私の周りの人にも話を聞くと、

「うちも過保護だった、過干渉だった、否定的だった、あまり興味をもってくれていなかった」

などという言葉が出てきました。

貴方の家庭はいかがだったでしょうか?

今では毒親やアダルトチルドレンなどの言葉も聞かれるようになりましたが、これは親子関係に不和を抱えたまま大人になってしまい、大人になったのちに苦しんでしまう人がたくさんいることを表しています。

お互い大好きだからこそ陥ってしまう、苦しみ。

ではなぜ、愛情を持って育てた/育ててもらったはずなのに、このようなことが起きてしまうのか。

それは、「親は子どもが大好きで、子どもは親が大好きだから」です。

子育ての悩みでもなんでも、”上手くいっている”という時は当たり前ですが悩みませんよね?

悩むときはどんな時かというと、

・現状を変えたい(のに変えられない)

・相手に変ってほしい(のになかなか変ってくれない)

という、自分の希望と合わなくなった時です。

例えば子育ての悩みでいうと、

「もうそろそろおしゃぶりはやめてほしいのに、なかなかやめてくれない。どうすればよいだろう?」

など。

親はやめてほしいと思っていても、子どもはやめてくれない(=自分の希望通りに変ってくれない)という状況になって「悩む」というわけです。

つまり人間は自分が変るのではなく、なんとか相手に変ってほしいという思いが強いのです。

それが悩みとなるわけですね。

親は子どもを愛していますので、子どものために○○させたい。

けれど子どもがなかなか乗り気ではない。上手くできない。(自分の希望通りに)変ってくれない。

すると、「なぜ出来ないの!?」と悩み、それが態度に出てしまう。

子どもは親を愛していますので、親に幸せになってもらいたいと思っています。

けれど、親の期待に応えられないと自分は駄目な子なんだと認識してしまう。

するとますます親の幸せのために生きなくてはいけない、良い子でいないといけない、と思うようになる。

でも大人になっても親はなかなか自分を認めてくれない、幸せそうじゃない。

なんで?おかしい。認めてよ、幸せになってよ!と今度は子どもが親を変えようとする。

このように、お互いを想い合う気持ちが、相手に変ってほしいのに変ってくれない、という悩みに繋がり、将来的に親子関係の不和を引き起こす重しになってしまうのです。

そして興味深いのが、この親子関係の不和を改善したいと思うのはほとんどが子ども側だということ。

なぜなら、確かに親側も幼少期の子育てに悩むことはあっても、あくまでも親が権力者側にいることが多いからだと「私は私。母は母。」の中で加藤氏はいいます。

「自分が権力者であることを多くの母親は自覚していないが、権力者は苦しくない。

苦しむのは権力を持たない側(つまり子ども)である。

<中略>

とは言え、母親も自覚としては苦しんでいる。

自分が娘の苦しみの原因の一つになっていることに気付かないまま、娘を何とかしなければと考えている。

時には自分が娘の心配をするのは、全面的に正しいことだという確信を持って娘を追い詰める母親さえいる。

娘の母娘葛藤の原因は母の側にある。

母の生き方の問題、母の娘への関わり方の問題であることが多い。

しかし、権力者である母はこのことを自覚しない。

だから、苦しさを感じた娘の側からアクションを起こすしかない。」

※出典:「私は私。母は母。」

これは冒頭でも述べたように、母と娘に限らず、父と息子、父と娘、母と息子でも同じことがいえるのです。

私は私。子どもは子ども。

・国際社会で活躍させてあげたい

・子どものためになるべく良い環境を整えてあげたい

と、愛情たっぷり子どものためにお金も時間も労力もかけてきたのに、それが気付かない内に子どもを苦しめてしまう原因になるなんて、親としてはなんとも皮肉ではありませんか。

加藤氏は娘の側から「私は私。母は母。」という言葉を用いていますが、私は

『私は私。子どもは子ども。』

という言葉をもっと世の中に広めたいと考えています。

なぜなら、加藤氏が言う、権力者は母親(親)になってしまうという構図は、どうしても子どもが小さければ小さいほどそのようになってしまう部分があるからこそ、権力者である親側が、しっかりとそれを自覚し、自分の人生と子どもの人生を分けて考えることが、親子関係不和を生み出さないために必要なことなのです。

どんなことがあっても「親子だから・家族だから、仲良しでいられる」のは幻想です。

特に子どもは親の関わり方、接し方によって長年苦しむことになる可能性がある、ということはきちんと把握しておく必要があります。

夫婦関係は努力しても、子どもとの関係は血が繋がっているから自然と良い関係が築けていると思い込んでいないでしょうか?

血が繋がっている子どもであっても、貴方自身ではありません。

私は私。子どもは子ども。

です。

「自分の人生を大切に生きてほしい。

それが自分と自分の娘、自分の周りの人たちの幸せにつながる。

<中略>

母になったからといって成長は終わりではない。

たぶんこれからもっともっと成長するはず。

忙しくて子どもになんかかまけていられない。

あなたの人生を味わい尽くして楽しんでほしい。

そして、そのことが何よりも娘の応援になることをお伝えしたい。

※出典:「私は私。母は母。」

と加藤氏もいいます。

子どもは貴方とは違う、一人の他者です。

そして貴方も、「一人の人間」です。

親としての役割にだけ、徹する必要はありません。

貴方は貴方自身の幸せをしっかり考えて生きていってください。

それが親子関係の不和を生み出さないための努力の一つであり、貴方も子どもも可能性を伸ばして幸せになるために必要なことなのですから。

最後に、加藤氏の「親子関係の葛藤を断ち切る10のヒント」をご紹介します。

①子どもは親が大好き

②子どもはこの世界の新人、何も出来なくて当たり前

③言葉に気をつける

④情報に気をつける

⑤子どもの成長に応じて手を引く

⑥子どもに承認を求めない

⑦自分の人生に責任を持つ

⑧自分と子どもの関係を点検する

⑨子どもの自尊心をいたわる

⑩子どもに多様な世界を経験させる

子ども&貴方の可能性は無限大!

《お子様の教育に関して迷ったら》

幼児キャリア教育事業部

この記事を書いた人

関口真美
関口真美代表
世界×教育=せかいく代表。
元幼稚園の先生で、元インターナショナルスクールの先生。 幼児教育者歴16年以上。
これまで約2,000組の子ども達、保護者と関わってきた経験を持つ。

その中で、子どもの育て方に加え、これから来る予測出来ない時代に向けてどうすれば良いのか分からず、溢れる情報に振り回され、迷い、疲れてしまうご両親の相談に多数のってきたことから、

「よりお子様の特性・ご両親の想いに沿った、且つ、これからの社会を見据えた教育を提供したい」

と思い、
・我が子を”世界人”にするフルオーダーメイド教育コンサル(ペアレントトレーニング)
・旅を通してグローバルを学ぶ実践型グローバル教育(旅行同行)
・国際マナー講師
・セミナー、講演
を行っている。
※世界人=地球上どこでも堂々と活躍出来る人

『子どもが将来、地球上どこでも堂々と活躍出来るように、
まず、人間の土台となる幼少期をしっかり固める。』がモットー。
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