「いただきます」は日本だけ?~食育としての挨拶~

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今日はいただいたご質問にお答えしようと思います。先日、「いただきますって日本の価値観なのですか?中国や韓国ではどうなのでしょう?」というご質問をいただきました。

それに対する私の答えは・・・『日本だけです。』となりました。

と、いうのも他の国では「いただきます」という概念がないからです。「いただきます」とは日本では簡単に言うと、”あなたの命をいただいて私は生きることができます、ありがとうございます”という概念で、食事前に言われています。肉や魚だけではなく、植物などの命にも感謝しているのですね。もちろん、それを調理してくれた人への感謝も含まれています。

海外でも、食事前にあいさつをすることはあります。たとえば韓国では、「よく食べます」という意味で「잘 먹겠습니다.(チャルモクケッスムニダ)」または「それでは食べよう」という「자,먹자(チャ・モクチャ)」です。

中国ではいただきますにあたる言葉が「我先吃啦。( wǒ xiān chī la. ウォシェンチィラ)」になるそうですが、いただきます、ごちそうさま共にぴったり当てはまる言葉はなく、言う習慣もあまりないようです。

英語では「Lets eat」という時もありますが「食べましょう」という言葉になりますし、イタリア語では「Buon appetito(ブォンアッペティート)」という「よいお食事を」という言葉になります。

つまり、日本で使われているような、「命をいただきます」という意味で使われている言葉はないのです。食事前に祈ることもありますが、それが「言葉」としてぴったり当てはまるのは日本の「いただきます」しかないのではないか・・・というのが私の結論です。それは、「ごちそうさま」も同じこと。ご馳走様とは、わざわざ食材を方々まわって調達し、自分たちのために作ってくれた感謝を表す言葉です。

このように、日本では海外から羨ましがられる独特の言葉があるのです。「ただいま」や「いってきます」もそうですよね。

最近では日本でも、給食費を払っているのだからいただきますと言わせるな、宗教じみているから手を合わせるな等という親御さんもいるようですが、食事前後の挨拶は、そういう次元ではないのではないかなと私は思います。(もちろん詳しく紐解けばこれらの言葉もいろいろと歴史的背景があるのでしょうけど・・・)

すべての神々(命)に感謝する、八百万の神々の住む国日本の、美しい文化・習慣のひとつです。ぜひ海外でも恥じることなく、日本の美しい習慣を披露できると素敵ですね(*^_^*)

この記事を書いた人

関口真美
関口真美代表
世界×教育=せかいく代表。
元幼稚園の先生で、元インターナショナルスクールの先生。 幼児教育者歴16年以上。
これまで約2,000組の子ども達、保護者と関わってきた経験を持つ。

その中で、子どもの育て方に加え、これから来る予測出来ない時代に向けてどうすれば良いのか分からず、溢れる情報に振り回され、迷い、疲れてしまうご両親の相談に多数のってきたことから、

「よりお子様の特性・ご両親の想いに沿った、且つ、これからの社会を見据えた教育を提供したい」

と思い、
・我が子を”世界人”にするフルオーダーメイド教育コンサル(ペアレントトレーニング)
・旅を通してグローバルを学ぶ実践型グローバル教育(旅行同行)
・国際マナー講師
・セミナー、講演
を行っている。
※世界人=地球上どこでも堂々と活躍出来る人

『子どもが将来、地球上どこでも堂々と活躍出来るように、
まず、人間の土台となる幼少期をしっかり固める。』がモットー。

Category 食育 2015.01.18

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