みなさんは『窓際のトットちゃん』という本を読んだことはありますか?
ご存知、黒柳徹子さんが書かれた幼少期の自伝です。
私も読んだことがあるのですが、はっきりとした内容は忘れてしまっていました。
先日、「世界一受けたい授業」というテレビで黒柳さんが講師として幼少期の話をされていました。
その中で、黒柳さんが、最初の小学校をわずか約3か月ほどで退学させられた後に通った、『トモエ学園』の話がとても印象的で、国際教育にも似通っている部分があり、これからの教育に必要なことだ!と感じ、その3つの点を記事にすることにしました。
目次
トモエ学園には日本の小学校に必ずある「時間割」がありませんでした。
「先生が黒板に今日は行う課題を書きました。国語、算数、理科、どれからやってもいいのです。」
と黒柳さん。
これは、国際教育カリキュラム、「バカロレア」に似ています。
バカロレアだけではなく、海外の国の中では、はっきりと教科ごとに分かれていない授業展開をしているところも多いのです。
国語は国語、算数は算数というように、みんなが同じことを一斉に行うというよりは、自分で授業計画を立てて行う、「自習」のような
形をとっている国もあれば、1つの物事を多面的な教科で考える授業もあります。
これらを考えると、トモエ学園は最先端(!?)の授業形態をとっていたのかもしれません。
「午前中にクラスの子全員が課題を終えると、ご褒美に午後はお散歩に行くことができます。そこでは散歩をしながら“なぜ、花は咲くのか”ということから受粉を学び、お寺の像をみながら歴史を学びました。」
と黒柳さん。
これは、まさに「青空教室」です。卓上での勉強ではなく、周りの身近な物事から学びを得る。
”勉強”ではなく、”自然と学ぶ”ことが出来るのです。
トモエ学園は小学校ですが、幼児教育に近い形をとっていたのですね。
このような方法は、子どもたちの学びに対する意欲を伸ばし、のびのびと過ごせる・学べる良い機会になるでしょう。
トモエ学園の小林校長先生がいつもお弁当の時間に言っていたこと・・・それが、
「海のものと山のものは入っているかな?」
だったそうです。
親御さんに”栄養バランスの良い食事を”と伝えても、なかなかわかりづらかったため、この言葉を使っていたそう。
この言葉を聞いたとき、”なるほど!”と思いました。
確かに、”栄養バランスを”といっても抽象的でわかりにくいですよね。
「海のものはなに?山のものはなに?」と尋ねれば、それだけで子どもたちの学びにもなります。
私も今後は、ぜひ使ってみようと思います。
これも、小林校長先生の言葉です。
トモエ学園には障害を持った子もみんなと同じように通っていたそうです。
しかし、先生たちは障害を持った子どもたちを「手伝ってあげなさい」とは一度も言わなかったそうです。
他の子どもたちも、障害児・健常児という区別なく、『みんな一緒に同じことをやる』というスタイルが当たり前だったようです。
これは、それぞれが認め合っていた証拠ですよね。個性を伸ばすトモエ学園では、障害も1つの個性として受け入れられ、なにも
特別なことはなかったのではないかと思います。
ただ、みんなが同じように満足感や達成感が味わえるように、運動会などでは子どもたちが気づかないように、障害を持つ子が1番になれるような競技を作るなどの工夫は先生方もしていたようです。
これは”特別扱い”ではなく、”みんなが同じような心と体の成長ができるように”という工夫でした。
今の時代、障害を持っていなくても、少しでも何かが違うと排除しようとする心理が働きすぎているような気がします。
もっとお互いの違うところを認め合う教育をするべきではないでしょうか?
これが、国際的に活躍するためにも重要な学びになると思います。
いかがでしたか?
これらの話を聞いて、トモエ学園とは、当時は異色の学園だったかもしれませんが、子どもたちに本当に必要なことは何か見極め、
実践していた学校なのだなと感じました。
この学校の方針は、これからの社会に必要なのはもちろん、永遠に変わらない教えでもあるような気がします。
世界中にこの本が訳されて人気になっているところをみても、そのように感じます。
せかいくから、少しずつ日本の幼児教育・小学校教育をより良いものに変えていきたいと感じさせてくれた話となりました。