英語教育は0歳から必要なのか。

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年々若年化する英語教育。

今や英語教育は「0歳からやらせないと!」と、

・0歳から塾に通う

・英語教材を使用する

・インターナショナルスクール進学を検討している

などという方も増えています。

しかし、本当に0歳という乳幼児期から英語教育は必要なのでしょうか。

私は「必要ない」と考えています。

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0歳、乳幼児期の英語教育は必要ない!

私は0歳から、もしくは乳幼児期からの英語教育は必要ないと考えています。

それは、私がインターナショナルスクールで働いていた中で、幼児期の英語教育の実態を目の当たりにしたことが大きな要因となっています。

話し出せばきりがないくらい様々なことがありますが、中でも、

「コミュニケーションが上手く出来なくなる」

という点においてが一番、乳幼児期に英語教育が必要ないと感じる理由です。

具体例を出すと、

・日本語環境ではないため、(慣れるのが早い子は)母国語である日本語が覚束なくなる

・母国語も覚束ない時期なのに英語で話せといわれるため、言葉が出てこない

=自分の言葉で意思を伝える、コミュニケーションを取るのが難しくなる、言葉のボキャブラリーが少なくなる

・(年長児であっても)すぐ衝突する、話し合いが上手く出来ない。

=母国語ではないため、ボキャブラリーや言い回しが分からず、端的な言葉(バカ!キライ!もう知らない!など)になってしまう。日本語で話し合いをさせるとすんなり解決する。

など。

未就学までの時期にはもろもろ学ぶことがありますが、

「集団生活の中でいかにコミュニケーションをとれるようになるか」

ということが一番重要な学びです。

コミュニケーションの中には、

・相手も自分も気持ちよく過ごせること

・きちんと挨拶が出来ること

・ごめんなさい、ありがとうがいえること

・話を聞くこと

・自分で考えて、自分の意思を言葉で伝えられること

・思いやりを持って友達に接すること

などのマナーや礼儀の部分も含まれているのです。

その乳幼児期の重要な学びが、英語教育によって阻まれてしまう恐れがあるのです。

英語教育よりも優先順位が高いもの。それがマナーや礼儀。

乳幼児期の教育で英語よりもぜひ優先順位を高くしてほしいものがあります。

それが、『マナーや礼儀』

マナーや礼儀というと、堅苦しい、テーブルマナーのこと、というイメージがあると思いますが、マナーや礼儀って要するに上記で述べたコミュニケーションでもあるのです。

※英国では王室や貴族でなくとも、マナースクールに通ったり、家庭や学校でマナーを伝えたりしているそうです。

(出典:「10歳までに身につけたい、一生困らない子どものマナー~この小さな習慣が、思いやりの心を育てます~」より)

電車の中で、

・走り回る、大声で話す、お菓子をぽろぽろこぼしながら食べるというAちゃん

と、

・話すときも静かに話し、きちんと座って落ち着いているBちゃん

では、貴方はどちらの方が印象が良いでしょうか。

・バスを降りるときに、何にも言わないで降りるCくん

と、

・バスを降りるときに運転手さんに「ありがとうございました」と挨拶をしてから降りるDくん

では、貴方はどちらの子が礼儀正しい子だなと感じるでしょうか。

先日読了した西出ひろ子氏・川道映理氏の著書、

『10歳までに身につけたい、一生困らない子どものマナー~この小さな習慣が、思いやりの心を育てます~』

の中で、著者の西出氏は、

「真のマナーとは、高級な服を着て、パーティーに参加するために身に付けるものではなく、

日常生活において、人に対する気遣いや思いやりのある、優しい心を育み、

互いに微笑みあえる環境をつくっていくことであると、英国での生活で学びました。

相手が大人であろうが子どもであろうが、

どんな相手にも敬いの気持ちをもって接する心をもった人が、

社会に出た時に可愛がられ、愛され、いざというときに助けてもらったり、

協力してもらえたり、幸せな人生を歩んでいけるのだと思います。」

と言っています。

「いつでもどこでもみんなに可愛がってもらえる、そんな思いやりのある子になってほしい・・・

あなたの想いを、本書が叶えます」

とも。

子どもに英語教育を!

と思うのも、まさに、

”いつでもどこでも活躍できて、みんなに可愛がってもらえる(=協力してもらえる)ような人”

になってほしいからですよね。

それだったらまずは、英語よりもマナーや礼儀をしっかりと習得させてあげるべき。

英語は乳幼児期を過ぎてもいくらでも習得出来ますが、マナーや礼儀はあとから学ぼうとすると習得するのに時間がかかるからです。

一度習慣づいてしまったものを変えるのは、人間なかなか難しいのです。

※こんな言い方もなんですが、乳幼児期には英語教育を熱心に施すよりも、マナーや礼儀などの人間教育に力を入れたほうが、将来圧倒的に有利になります。

乳幼児期の英語教育は必要ない!と言ったけれど・・・こんな英語教育はOK!

さて、ここまで乳幼児期の英語教育は必要ない!ということをお伝えしてきましたが、

・(誰に対しても)絶対やらないで!

・英語教育なんて害悪だ!

と申しているのではありません。

グローバル化や小学校でも英語授業が導入されていることもあり、英語教育に関心が高まるのは当然だと思っています。

ただ、

「日本の幼稚園や保育園の代わりにインターナショナルスクールに入学させるという英語教育」

「英語教育を優先度1位にする」

ということは、後々、親と子の双方にとって苦しい結果となる可能性が高いため、おすすめしません。

ではどんな英語教育ならOKなのかというと、

『英語に親しむことが出来る』

というもの。

英語教材を与えたり、塾に通わせたりすると、親がどうしても躍起になるのが、

・英語を話させようとすること(○○って英語で言ってみて!etc)

・英語を理解しているかどうか試すこと(これ、なんて言ってるかわかる?etc)

・英語を書かせようとすること(英語でお名前書いてみて!etc)

の3点。

しかし、”勉強”という意味で乳幼児期に英語を与えることはいただけません。

だんだんと英語の優先度が親の中で高くなってしまい、子どもの人間としての大事な成長(マナーや礼儀etc)を疎かにしてしまいがちになったり、子ども自身が英語嫌いになってしまったりするからです。

そうではなく、

・この世の中には英語っていう言葉があるんだ!

・英語を話す人にはこんな肌の人、瞳の人、髪の人がいるんだ!

・英語を話す国ってこんな国があるんだ!

などと、文化理解・知らないことを知るという楽しみを見つける、という意味での

『英語に親しむ英語教育』

をどんどん与えてあげてください。

具体的には

・英語絵本や英語の歌を一緒に楽しむ

・楽しんで行っているのなら、週1回の英語教室に通う(ただし、この頻度では話せるようにはならないので、話すことではなく、英語を楽しい!好き!と思ってもらう目的で通うこと)

のが良いと思います。

また、インターナショナルスクールに入れた方が良い場合もあります。

それが、もう既に海外で生活することが決まっている、もしくは小学校入学のタイミングで海外移住が決まっている、という場合。

海外で生活をして日本に戻らないのなら、なるべく早く英語環境に慣れてもらった方が良いのです。

まとめ

英語教育を乳幼児期の頃からやらせるべきかどうかは、賛否両論あるところ。

家庭の事情、子どもの個人差などによっても変化してくるものではありますが、貴方が思っているほど、乳幼児期の英語教育優先度は高くありません。

0-6歳(未就学)の時期は、木なら根っこ、家なら基礎、体なら心臓、という大事な部分を育てる時期

その時期には英語ではなく、いつでもどこでもみんなに可愛がってもらえる(=世界中どこでも活躍出来る)、人間力(マナーや礼儀)を優先度1位にして、しっかりと身に付けさせてあげてくださいね。

子ども&貴方の可能性は無限大!

この記事を書いた人

関口真美
関口真美代表
世界×教育=せかいく代表。
元幼稚園の先生で、元インターナショナルスクールの先生。 幼児教育者歴16年以上。
これまで約2,000組の子ども達、保護者と関わってきた経験を持つ。

その中で、子どもの育て方に加え、これから来る予測出来ない時代に向けてどうすれば良いのか分からず、溢れる情報に振り回され、迷い、疲れてしまうご両親の相談に多数のってきたことから、

「よりお子様の特性・ご両親の想いに沿った、且つ、これからの社会を見据えた教育を提供したい」

と思い、
・我が子を”世界人”にするフルオーダーメイド教育コンサル(ペアレントトレーニング)
・旅を通してグローバルを学ぶ実践型グローバル教育(旅行同行)
・国際マナー講師
・セミナー、講演
を行っている。
※世界人=地球上どこでも堂々と活躍出来る人

『子どもが将来、地球上どこでも堂々と活躍出来るように、
まず、人間の土台となる幼少期をしっかり固める。』がモットー。
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