『チック』という言葉をご存知ですか?
お子さんのいるご家庭では、よく耳にする言葉だと思います。
先日、この時期によく見られる、「子どもが口の周りを舐めて肌が荒れてしまう」ということも、”もしかしたらチックかもしれない”とお伝えしました。(→「子どもが口の周りをべろべろ舐める!いったいどうしたらいいの?」)
では、チックとはどのような症状をさすのでしょうか?
また、子どもに現れた時には、どのような対処をすればいいのでしょうか?
目次
チック症とは、幼児期から思春期に多くみられる脳神経系の障害のことです。
チック症を体験する子どもは10%前後とされ、男児に多い傾向にあります。
軽い場合は「癖」で済みますが、重い場合は「トゥレット症候群」と病名も変わり、日常生活に支障をきたすほどになります。
しかも、まだまだこの病気に対する世間の認知が低いため、それにより本人や家族の苦しみが増しているのです。
私たちが想像するチックは、目をぱちぱちさせる=まばたきが多い、顔をしかめる、肩をすくめる・・・などということが一般的だと思いますが、実は、「バカ」「アホ」などの汚い言葉を言ってしまう『汚言症』もチック症状の1つなのです。
また、チックには「音声チック」と「運動チック」の2種類があり、
・音声チック・・・「ン、ン」などという、咳払いをする、鼻を「クン」っとすする など。
・運動チック・・・大声を出す、飛び上がる、まばたきが多い など。
このような症状が見られます。
これらチックは、本人の意思に反して勝手に出てしまう症状なのです。
※ちなみに・・・音声チックと運動チックの両方が1年以上続くと「トゥレット症候群」と診断されます。
では、なぜチックは起きるのでしょうか?その原因は・・・生まれつきの脳の動きの偏りが原因だったのです!
子どもの脳は発達段階にあります。
そのため、一時的にバランスを崩し、神経伝達に不具合が生じているのです。
なので、成長とともに脳機能のバランスが保たれるようになれば、とくに治療をしなくてもたいていは消えていき、トゥレット症候群の場合でも、15歳くらいまでには消えるか軽くなっていきます。
もし残ったとしても、まばたきやせき払いが残るくらいだそうです。
上記からもわかるように、ほとんどのチックは一過性で、9割が1年以内に消えてしまうと言われています。
しかし、中には1つの症状が治まっても、別の症状が現れたりすることがあります。
そんな時には・・・特別視しないで見守ってあげてくださいね。
チック症は一昔前に言われていたような、育て方のせいで起きるものではありません。
子どもの性格や精神力も関係なく、もちろん学力に影響するようなこともありません。
重要なのは、周囲が正しく理解して特別視しないこと。
目立つ動きがあると、ついつい「やめなさい!」とか「ほら、また!」などと注意してしまいがちです。
すると、そこに意識が集中してしまい、むしろ症状を増やしてしまう結果に繋がることが多くなります。
やめなさいと言われてもやめられないのがチック。
これを忘れることなく、いい意味で、「温かく無視する」のが子どもにとってベストな対処法なのです!