先日のコラムで紹介した佐々木正美著、『子どもへのまなざし』を読了致しました。(→「最重要!乳幼児期は〇〇の時!」)
この本は、乳幼児期がいかに大切かはもちろん、思春期の子どもたちの求めるもの等まで記載されており、保育者はもちろんですが、いづれは親になる方、これから親になる方、現在、子育て中の方など、多くの方に読んでいただきたいと感じました!
目次
この本は、「どこが特によかった」というポイントをお伝えできないほど、人間の成長にとって必要なことは何かということを、乳幼児期から思春期に渡って教えてくれています。
乳幼児のことについては詳しい(と思っている)私でも、小学生になったら?中学生になったら?高校生になったら?・・・
どのような成長をし、どのような援助・教育をしていけば良いのかは、正直わかりませんでした。
けれど、この本には一連の流れとして、
・子どもはどのように大人へと成長していくのか
・その際に必要な援助はどのようなことなのか
ということが記載されているため、今後の子どもたちの育つ過程を想像することができました。
育つ過程が分かれば、「今はここを大切に育てよう」というその子一人ひとりのポイントが見え、子育てがしやすくなるのではないかと感じました。
子どもの頃に、子どもが求めるような愛情が得られなかった子は、しばしば思春期や青年期に『赤ちゃん返り』をすることがあるそうです。
これは、自分を見て欲しい、受け入れて欲しいというアピール。
けれど、そんなに大きくなった子どもたちに、おんぶやだっこをしてあげるというのは出来ないもの。
そんな時には・・・「心を込めた食事を用意しましょう」と佐々木先生は言います。
心を込めた、子ども好みの味を根気よく作ってあげる。
今日は何を食べたいのか普段から聞いてあげる。
すると、自分の言ったものが、自分好みの味で出てくるため、自分は受け入れられている、大切にされているのだと感じるのだそうです。
これは決して、”贅沢にしろ”というわけではありません。
”食事”という毎日の小さなことから、愛情を感じさせてあげることが、思春期の子どもたちにとっても重要なのです。
”過保護はあまり良くない”ということは、みなさんご存知のことですよね。
しかし、佐々木先生によると、「過保護でダメな人間に育ってしまったという例は1つもない」のだそうです。
むしろ、子どもの要求にすぐに答えてあげることは、子どもが愛情を感じることが出来るので、自立を促すのにも良い影響を与えるのだか。(マナー違反や社会のルールに反することはもちろんNGですが)
一番、子どもをダメにするのは『過干渉』です。
これは、子どもが求めているのではなく、親の方から必要以上に子どものことにあれこれ干渉するということですね。
現代では、このことを”過保護”という言葉でとらえてしまっているのかもしれません。
しかし、本来の過保護とは、あくまで、『子どもが求めてきた時』にその要求を満たしてあげること。
現代では「本来の過保護ができる親」が少なくなってきているのかもしれませんね。
今回紹介出来た部分はほんの一部ですが、教育者の観点から見ても、この本には大切なことがたくさん盛り込まれている内容だなと感じました。
大まかな章ではありますが、目次を紹介します。
ぜひ手にとってみてくださいね!
・乳幼児期は人格の基礎を作る時
・子どもをとりまく社会の変化
・人と育ちあう育児
・こんな気持ちで子育てを
・生命との出会い
・乳幼児期に人を信頼できると子どもは順調に育つ
・子どもの望んだことを満たしてあげる
・幼児期は自立へのステップの時期
・しつけはくり返し教えること、そして待つこと
・思いやりは身近な人とともに育つ
・子ども同時の遊びの中で生まれるもの
・友だちと学び合う時期
・思春期は自分探しの時期
・豊かな社会がもたらしたもの
・保育士、幼稚園の先生へ
・お母さん、お父さんへ